Fishing2007釣行記 秘蔵の沢でええんかい
秘蔵の沢でええんかい
 
  


 
[報告者] 齊藤 敦
釣行日:2007/5/27〜28
 
 メンバー:前垣均、渡辺俊武
齊藤敦

 
 
 

 いつも5月の4週目は地元の友人達と沢宴会と決めている秘蔵の場所がある。

 残念ながら新潟の三面水系の棒沢とだけしか川の名前はお教えできない。釣り場まで歩いて30分、テン場まで更に30分、多少のへつりはあり、泳ぎ?とんでもない、どこで泳げるの〜。岩魚?むふふ。山菜?むふふでビールと豪勢なツマミをしこたま背負い込んで何しに来たのかわからない源流のオープニング企画である。但し、渓のキャパから言っても4〜5名が限界なので渓遊会の方にはお声掛けする訳にも行かず例年内輪だけの釣行にとして来た場所でもある。今回も同様に声掛けをするが、それぞれの事情でいつものメンバーの参加が望めそうにもないようである。少ない休みを何とかやり繰りし、最初に参加を決めて連絡をくれた友人の渡辺くんに延期や中止と言うのもどうかと思い、会の掲示板で参加希望を呼び掛けて見ると前垣さんから是非にとのことでいつもより少ないながらも3人で決行とする。
 金曜の夜に福島飯坂ICで前垣さんと合流、天気予報では日曜のテン場を撤収する時間あたりにやっと雨マークが消える、芳しくない状況で当たって欲しくない予報通りの強い雨がフロントガラスを叩き付ける。林道に入ると何かおかしい、いつもは有り得ない道に横たわる倒木や落石、今年は雪が少なく山へのダメージも少なかったのでは?と勝手に想像していたが10数年通い続けて始めてのことである。そう言えば今年は暖冬だったものの3月に入いると寒の戻りで何度か大雪があった。やはり降る時に降らないと何かに係わることなのだろう。こんな状況で目的地の車止めまでは到達できず、少し前の林道の小脇に車を置く。前垣さんが大きなクーラーで冷やしてきてくれたビールと予想外の刺身のツマミでまずは乾杯。前垣さんとは今まであまりゆっくりとお話をさせていただく機会も無かったが、色々な新鮮味あるためになることを沢山お聞きした。1時間ほど仮眠したところでいよいよ出立準備を始める。





いよいよ出発準備
倒木のため林道歩き

 幸い、雨も上がり雲間からも青空も覗いている。せめて釣りの時間だけでも天気が持ってくれればと願い、最初の尾根の乗り越しの道に取り付く。尾根のピークまでの20分は登りの連続で何度かの小休止を経た後トラロープに導かれ川床へ。やはり雨の影響で水量が多く、少し濁りもあるようだ。ま、釣りには好条件だろう。少々、際どいへつりで3m滝を超し、暫く飛ばし渡辺君に好さげなポイントで竿を出してもらう。期待通りあっけなく食べ頃サイズが掛かる。ここでキープしていては新鮮なお刺身も宴会の大きな楽しみなのでそっと流れに帰す。フライの前垣さんにも飽きない程度に掛かり、十分楽しんでいるようでホストの私としては一安心。会員のはっちゃんのフライを間近で見たことはあるが、前垣さんのはまた少し違って「こんなとこ餌釣りではやんないな〜」というような僅か目前のチャラ瀬からぽんぽん掛ける。途中、今宵の宴会用にそこら中にあるうるい、うど、しどけ、アブラコゴミなどを摘みあっという間にテン場へ。まずはビール、そして朝飯にそばを茹でて採ってきた山菜の天ぷらを添えていただく。「ん〜、んまい」。しばし休憩でまだ9時。「仮眠して昼から釣りに行きましょうか?」「いやー一旦着替えちゃうとね〜」「じゃー、これから釣りへ行って3時頃から宴会になっちゃいますけどいいですか〜」「それがいいっね〜」で決まり。(酒が心配)

そばと山菜天ぷらで朝食
100円のそばなのに手打ちよりうまい
     

 私がテン場上の右又、前垣さんと渡辺君には左の本流の良い方をお譲りする。私の方は適度に釣れるも15分ほど釣り上ると雪渓が出てきて不安定なブリッヂを目前に引き返す。雪渓が落ちて間もない場所では食べ頃のうどが「どうぞ私をお食べ下さい」と熱い視線を送り、ふた掴みほどいただきテン場へ戻る。何もしない贅沢を思いっきり味わい、「彼らはあと1時間かな〜」という頃合で山と積んだ流木に火をつける。直前まで水に浸かっていたような薪が殆どでブスブス心細い煙が上がるだけで火勢が上がらない。ほぼ予定通りに2人が戻り、前垣さんの「いやー魚いますね〜」を乾杯の音頭にビールを開ける。早速着替えをし、私が下処理をして作っておいた、山菜のお浸し、一夜漬けで宴会開始。釣った岩魚は刺身にしてネギと和えて漬け、そして手巻き寿司、ひつまぶし、何を食っても「んー、ぜつ(・・)ぴん(・・)」。

 本流での釣りの状況や日頃の釣りのお話などをお聞きし、酒がどんどん進む。4時頃か?意識混濁。昨夜の無理がたたり撃沈。夜半シートを叩く雨音で目が覚め、木にぶら下げておいたシャツをシートの中へ放り込む。幸い雨は30秒ほどで終わり、雨雲が通過しただけのようであった。これで目も覚めてしまい2次会へ。焚火に薪を足して焚火の周りで生の梅酒をいただく。「あーんまい」。最後に夕べ飲めなかったナラタケと山菜たっぷりの味噌汁をすすり2度寝。
 
 朝方2人の話し声で目が覚めると6時半。朝ビールでまた乾杯。「時間があるから釣りに行って来たらー」と言っても岩魚はいくらでも釣れるのに誰一人釣りに行くとは言わない。焼酎にも手を出し、朝飯を食いながら朝宴会に。しばしまどろみ、酔い覚ましの後、撤収準備。ここで予報通りの少し強い雨が降り始める。でも降ってもらいたくない時はきっちり晴れてまあ、好とせねば。焚火の燃えカス、ごみを確認し来た沢を戻る。来る時に見つけておいた山菜をお土産にザックにくくり付けていつもよりは相当早い13時に車止めへ。夕べは睡眠も十分で程よい疲れと充実感が一杯で帰路に着く。私にとって「前垣さん、また行きましょうか?」「いいっすね」が何よりでした。

手巻き寿司も絶品
昼間っから宴会
宴はまだまだ続く・・・
お土産にうるいを採ろうとしたら、トンボが・・写真に収めるだけに



(さいとう あつし)
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