Fishing2017釣行記 早春の源流 釣りじゃないよ!酒飲みだよ![朝日連峰 戸有沢]
早春の源流
釣りじゃないよ!酒飲みだよ!
[朝日連峰 戸有沢]
 
  
[報告者] 齊藤敦
釣行日:2017/4/28〜30
 メンバー:齊藤敦、小鷹哲、渡部信雄、
 林出政治、上田勉、平江誠、寺尾一木
 
 
 
 
 

 昨年の記録的に少ない残雪からすると今年は少し、多いようだ と地元のマタギのから情報が入る。とは言え昨年が異常だっただけで今年のそれは例年よりは少なさそうとの感触。今回はここへは3度目、しかし今までのメンバーの事情もあり、今回はメンバー刷新、総会の前夜祭で酒も入り饒舌になった私が、つい

「4月に朝日の源流に行かない?」と言うと

「何だって〜、齊藤さん、4月の朝日って言ったら雪に埋まって釣りどころじゃない、そんで雪の上で寝るのか?冗談はよしてくれ」と、さらに饒舌ついでに

「なんと仰るうさぎさん♪、開けた川原で釣り放題、山菜と快適テン場で大宴会♪」とおやじギャグで返すと興味津々の飲兵衛が6人集まる。



 しかも、平江君は例年、連休は嫁さんの実家の秋田に行くが、ちょっと調整させてくれと嫁さんをさて置いてまで参加希望とのこと。

 と言うことで入山前夜、車止めに集結し、恒例の山神様への感謝の儀式を厳かに?執り行う。儀式では行者にんにくの醤油漬けや山海の珍味が供えられ、そのお裾分けをありがたく頂戴する。予定の出立時間が早いこともあり、これ以上の儀式はかえって山神様の機嫌を損ねかねないと頃合いを見て終了。



各自、何が入っているのか、へたすると酒がザックの半分を占めているだろうか(あながち誇張とも言えない)と思わされるようなパンパンのザックを背負い杣道へ取り付く。

 杣道は明確に上流まで伸びているが入渓者もそう多くないようで年を追うごとに悪い場所が多くなっているよう。去年までトラロープで降りられた場所も支点が抜けて残置の何本かのロープを束ねて補強して空身で降りる。

 まずはトップでハマナベさん、軽快な手さばき、足さばきでするすると降りていく。テン場で聞いた話だと近所の低山に登り、頂上で一杯ひっかけてのんびり山を楽しむのが日課と言う、これが足腰の衰えを感じさせない楽しいトレーニングとは何ともうらやましい。







 

 30年前に渓游会の門を叩いた時はバリバリの源流マンで憧れの存在だった「ハマナベ」さんも齢70歳、でもまだまだ軟弱な若い奴らには負けません。

 かつてはブナ林伐採反対運動の実質的リーダーとして自然保護活動にも心血を。







 
地元のマタギが気付いた時には道を直してくれていたのだが、熊捕り引退したこともあって今年はまだ歩いていないので状況もわからないとのこと。この先何年、歩ける道であるのか、マタギ次第と言うことか。


 この杣道をのんびりと2時間強、去年は頃合いのコシアブラを採りながらであったが、やはり10日程度遅れている。無理して新芽を薬味に と言う程度で天ぷらには沢山摘んでかき揚げでもしなければ無理、酒のつまみは豊富にあるので今回はパス。


 昨年の二又右のテン場付近に到着。今年は去年に目を付けて置いた左又上流の広川原での野営とするためさらに30分ほど上流へ。広川原はさしずめダムのバックウォーターのように平らな川原が200mほど続き、テン場にするならば500人や1000人は十分収容できるほどの広さ










 

周囲の眺めも最高で子供のこぶし程あるフキノトウや出たばかりのコゴミやワサビがあって山のつまみ調達にも好適地、昨年はウドも芽吹いていたが今年はさすがに無理そう。


 いつもはタープ1枚を天幕にして野営する我々もこの時期では安眠することは叶わない、今回は大判のブルーシート2枚を小屋仕立ての4面張りにしてどこからも風が入らないようにした。2日間、小屋外で寝て通した猛者もいたが、お陰で私をはじめ年寄りは小屋の中で熟睡することができた。





 さて肝心の釣りはと言うと俺はもういいとか、ここで飲んでいるとか、お前が行って来いとか誰も行きたがらない、私が「せっかくここまで来たんだから行きましょうよ」となだめてやっとこさ重い腰を上げてもらう。


 テン場からの広川原の先は直登不能な滝がかかっているので一旦、少し前から中間尾根に上がり滝を大きく巻いたところで滝の僅か上に降りる、マタギがナタ目を入れているルートだ。







 ここから釣り上がるが、どうも型が良くならない、どんな理由かはわからないが出るには出るものの7寸程度で去年より、1.2サイズ小さい。場所が場所だけに釣り人の乱獲とは考えにくいが。












 いずれ、数を釣っても仕方ないので夕餉に食すための比較的良型の数尾のみキープする、天気は今一つで雨がパラパラと来た時点でハマナベさんから「齊藤さん、もう帰って飲もう」と、「まだまだ奥があるし、せっかく釣りに来たんだからもう少し行きましょうよ」と言うと「何言ってんだ齊藤君、俺は酒飲みに来たの!!」と怒られてしまった。これがダメ押しの言葉で納竿。魚止めはまだまだ先なのに残念!!

 帰りはマタギに聞いた「上にもずっと道があるよ」との情報で何となく踏み跡らしきところに取付き、見回すと切れ切れでもナタ目がある、ここを拾いながら道を行くとびっくり3時間かけて釣り上がったルートが僅か20分で入渓場所に到着。


 雨も上がり眺めの良い尾根の大地で昼飯、昼酒休憩。こんこんと流れる湧き水で焼酎をやり、途中で採ったヒラタケを湯がいて醤油をひと垂らしし刺身、周囲にあるコゴミを茹でてとこれだからやめられない。今宵は中日のメインの宴会、これ以上ここで飲んだくれていては台無し、さあ、テン場に帰って宴の支度を。


 テン場には右又組も既に帰還。また、明るい内からやり始め今宵も焚火を囲んでの毎度の馬鹿話。小鷹さんが「齊藤さん、俺も自分を馬鹿だと思うけど、齊藤さんも馬鹿だな〜」と褒められているのかけなされているのかわからないお言葉を。でも小鷹さん、馬鹿は二人だけじゃないですよ、こんなとこで酒食らって遊び惚けている奴なんてたいがい馬鹿、いや大馬鹿ですから。









 
満足に釣りもしない、「釣行記」なのに魚の写真もない(事実撮っていない)、こんな釣行はまともな奴がすることではありません。忠告して置きます、これを読まれた賢明なあなた、断じては染まってはいけない遊びです、あなたも取り返しのつかない大馬鹿になってしまいますよ。


 そして釣りが目的ならこんな会への入会は考え直してください、後悔しますよ。





 


(さいとう あつし)
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