"瀬畑雄三と行く二泊三日の沢旅" 御神楽沢釣行
釣り雑誌"渓流"取材釣行

 
[報告者] 平江 誠
釣行日: 2002/7/26〜28
メンバー:瀬畑雄三 、岩橋敏夫 、小鷹 哲 、渡辺 肇 、水内 宏 
宇賀神行雄、上田 勉、齊藤 敦、阿部秀雄 、小林一夫
赤羽武雄、長尾静将、高久明夫、平江 誠  、田宮貴男
渡部文子、丸山 剛(カメラマン)

 

 "梅雨明け十日"の快晴の中、取材を兼ねた御神楽沢釣行が開催された。我が渓遊会 30 周年を記念しての"つり人社"取材となったのであるが、瀬畑顧問よりの 「何人でもいいからなるべく大人数で参加してくれ」 とのお達しに会長をはじめ総勢 16 人もの会員が参加となった。
 瀬畑顧問・岩橋会長・水内・小林・小鷹・渡辺(肇)・阿部・齊藤・宇賀神・長尾・赤羽・高久・上田・渡部(文子)・私の 15 名+カメラマンのまるちゃんこと丸山さんを含めた 16 名で、会津駒ケ岳を目指し登山道を歩き出す。(田宮氏は休みが取れず単独で土曜日からの合流となった)
 快晴のもと快適に登山道を登る・・・はずであったが、例によっての入山祝いと称した宴会が 4 時半まで行われ、寝不足の齊藤さんと長尾さんのペースがいまひとつとなった。駒の小屋で大休止、中門岳を目指す。
 中門岳では、他の登山客の姿もチラホラと見られるなか、小鷹さんが池塘で水浴びをしているではないか。さすがに中に入ることこそなかったが、皆には大うけであった。また瀬畑顧問は、池塘の水をうまいうまいとガブ飲みしている。登山者からは 「あの人あそこの水飲んでるー」 と後ろ指をさされていたが、少しもひるむことなく 「昔は小屋の人はこの水を飲んでいたんだよー」 と逆ギレしていた。ちなみに飲んでみなと渡されたコップにはミジンコがうようよと泳いでいた。


 ここから急斜面をくだり、小沢を伝って本流へと降り立った。テン場は出会いから小一時間ほど下った右岸にあるようだが、 17 人も寝れるかが最大の心配の種であった。
 いざテン場に到着してみると、整地すればなんとか寝れるかな?ぐらいのスペースであったが、青シートで宿をこしらえてしまうとなぜかここしかないと思えるほど落ち着いてしまうのが不思議である。早速ビールで乾杯となる。皆が分担しテキパキと仕事をこなすなか、すっかり腰を落ち着けて飲み会モードとなった私を含めた数名は、焚火の回りに移動し飲み続けるがあえなくダウンとなった。


 翌日は沢を上下に分けての釣りとなる。上流は距離も短く危険な箇所もないとのことでシルバー隊にお任せし、若者(バカ者)は下流へと下ることにする。なぜか会長は若者グループに参加となった。
 一旦下流へと下り時間を空けてから釣り上がろうということで、皆で本流を下っていくが、テン場からすぐ下が 20 m弱の滝となり、その下流に大雪渓が現れる。先行の 8 人は雪渓上をノッ越したが、キジ打ちで遅れた肇さんはなんと下をくぐってきたようである。出口の見えない真っ暗な雪渓をよく通ってきたなと驚かされる。
 雪渓下では見事な釜をもつ絶好のポイントが現れた。早速福島の釣りキチ齊藤さんが竿を出し、見事な尺上を釣り上げた。


 目的のミチギノ沢手前で岩橋会長を残し、出会い迄下る。会長はそこからのんびりと釣り上がっていくそうだ。右岸からミチギノ沢と思われる小沢が現れ小休止とする。阿部さんと私でさらに下流に下り、釣り上がることにするがしばらく下ると 2 段 50 mの大滝が現れた。 1 段目は左岸から降りられそうであったが、 2 段目の先が見えなかったので引き返すことにした。(後で分かったことであるが、ミチギノ沢はさらにこの下流であったらしく、途中の枝沢はミチギノ沢ではなかった)
 3 匹ほどリリースサイズを掛け小沢の出合いに戻ると、阿部さんが待っていてくれた。皆はすでに釣り上がってしまったらしく、のんびりと後を追う。
 本日は福島の齊藤さんにツキがまわったらしく、大物は決まって齊藤さんが釣り上げていた。他の人はというと釣れはするものの、いかんせん小物ばかりで、苦笑いでごまかすしかなかった。
 サイズはともかく順調に釣り上がるその中で唯一人ボウズがいた。・・・阿部さんである。全員がポイントを譲る中、控えめな阿部さんは 2 ・ 3 回毛鉤を振るとすぐに他の人にポイントを譲ってしまう。なんとか釣ってもらおうと先行していただくと、いきなり阿部さんの竿がしなった、と思ったらいきなり 「パキッ!」と乾いた音がした。竿が折れたのである。慌ててラインを手繰る阿部さんであったが、岩魚には逃げられてしまったらしい。
 よっぽどツキに見放されたのであろうか、その後阿部さんの竿は二度と曲がることはなかった。


 そろそろ腹が減り昼飯にと思ったが、いまだ会長と合流できていない。空腹に耐えつつ遡行に専念しなんとか会長に追いついたが、その会長は尺上を 4 本キープしていて満足気であった。
 早速昼飯のそうめんを茹で、岩魚の刺身とウルイのわさびマヨネーズ和えで乾杯となる。まったりと過ごすこのひとときが最高にたまらない。すっかり出来あがり、のんびり釣行の再開となった。
 しばらく釣り上がると件の雪渓となるが、肇さんと二人その下をくぐってみた。薄暗くひんやりとしたその中は、崩れることはなさそうだと分かっていても恐怖感が湧いてくる。なんとかくぐり終え、ホッとひと安心。
 大滝が出てきたらおしまいだなと話しつつ遡行を続けるが、ほどなく大滝に着いてしまった・・・と思ったら、滝の上になにやら怪しい影が・・・。猿か?熊か?あるいは山乞食か?。その影の主はいきなりふんどしをめくり上げ奇声を発している。また万歳をして滝壷に飛び込むジェスチャーすらしている。
 よくよく見てみると、なんと瀬畑顧問ではないか!!。またその格好はというと、素っ裸に菅笠をかぶりふんどし代わりに手拭い一丁という何ともすっとぼけた格好で、全員腹を抱えての大爆笑であった。(その姿はカメラマンの丸山さんがしっかりと激写していたので、雑誌での登場に期待したい)
 やっと笑いも納まり皆が滝を登り終えた後、おもむろに小鷹さんが竿を出し始めた。滝壷右岸の深みのポイントに餌を投入して間もなく鋭い合わせ、見事に釣り上げた尺物を手に記念撮影!! 
 会心の笑みで、はいっポーズ!!


 テン場に戻ると、本日合流予定の田宮氏が到着していた。さすが師匠!!と感心したのも束の間、すっかり出来あがり酔っ払いと化している。まあいつものことではあるが・・・。話を聞いてみるとなんと朝 4 時に登山道を登り始めたらしく、テン場には 10  時に到着した模様。その時間から飲んでいればいかに酒豪の田宮氏といえども酔うのが当然であろう。
 本日も宴は最高潮となり、またまた飲んべえ組は焚火を囲み飲み続けるのであった。


 翌日は撤収を終え帰るだけとなる。"来たときよりも美しく!!"をモットーとするだけあって、我が会の撤収ぶりは見事である。屑ひとつ残さないのは当然であり、形跡を最小限にとどめるよう努力する。
 山の神に感謝の意を告げ、テン場を後にする。朝方は曇っていた空も遡行を続けるうちに快晴となる。あまりの暑さに沢に浸かった丸山さんは"どざえもん"状態となっていたが、沢水はまだまだ冷たいようで水からあがった時にはすっかり唇が青ざめていた。


 急登の沢詰めも終わり、なんとか中門岳に辿り着き、今来た道なき道を振り返ると、頬に吹く風が心地よく眼下には絶景が見渡せる。今度はいつ訪れることが出来るのか分からないが、次回の来訪がまた楽しみとなった。
 今回は大人数に加え、年齢もバラバラでどうなることかと思いながら望んだ釣行であったが、思いのほかシルバー隊が元気であったのには驚かされた。我が宇都宮渓遊会もまだまだ安泰のようである。

 
 
 
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