八久和川支流 湯井俣川

 
[報告者] 平江 誠

釣行日:2002/9/14〜16
メンバー:平江 誠 、佐藤芳信 、渡辺 肇  、宇賀神行雄
上田 勉 、高久明夫、瀬畑孝久 、田宮貴男
斎藤金也 (山形山岳渓釣会


 
 東北でその名を轟かせている、 彼の有名な " 山形山岳渓流釣倶楽部 群遊会 " の発足の地でもある湯井俣川での釣行が行われた。
 車止めから 3 時間でテン場に着けるとあって、 参加者も多くなんだか宴会釣行の感も否めない。 その中でひときわ輝いていたのは、 釣行でありながらして、 竿を持ってきていない田宮支障・・・ いや師匠であった。 「 サカナなんか釣れるわけないよ、俺は飲みに来たんだ! 」 とのたまっている。 果てさて釣果は如何に・・・。
 杣道を 2 時間程歩いた辺りで、 3 人組と行き会った。 まさかこれから釣りか?と思いきや、 2 泊で釣りをした帰りとのこと。 釣果を尋ねると 「 まあまあ 」 の答え。 更に 「 サカナはいっぱい残してきました 」 とおっしゃる。 この時は、 「 なるほどー 」 と思ったのであるが、 これが後にえらい目に遭うことになろうとは微塵にも思わなかった。


またもや宴会が・・・                                 一丁竿でも出してみるか!

 杣道歩きに疲れた我々は、 途中の小沢を辿り本流へと降り立った。
 ミニ八久和と呼ばれるその渓相は素晴らしく、 暫し見とれて大休止、 いや小宴会となった。 皆が飲みつづける中、 竿を出したのがこれまた上田さん。 奥利根以来、 ” 上田氏が最初に釣りあげた沢は良い釣果に恵まれない ” というジンクスがすでに仲間内では浸透しつつある中で、 めげずに竿を出し続ける・・・ がしかし、 魚信が一向に無い。 釣り下った金也さん(山形山岳渓釣会)も首をかしげている。 酔った勢いで私も竿を出してみたが、 いきなり第一投目でブッシュに引っ掛けて大笑い。 気を取り直し第ニ投、 これまた枝に引っかけてしまい早々に退散となった。
 その上流の絶好のポイントで名人佐藤芳信さんがテンカラ竿を振るが、 やはり魚信はないようだ。 何やら不安を感じつつも酔ったまま遡行を続ける。 釣果もないまま程なくオリト沢出合いに到着。 ここより大きめのテン場が少し上流にあると聞いていたので、 そのまま通過。 すぐにテン場に到着となる。


テン場設営が終わると、早速宴会が始まった・・・
想像していたより、はるかに広いテン場

 早速宿を拵え、 焚き木を集める。 各々がテキパキと役割をこなし、 見事な宴会場(寝床)が完成した。 サカナは釣れなかったが肴はふんだんにある。 ・・・どこかで聞いたことのあるフレーズであるが、 まあ気にしない。 すぐにカップを持って乾杯となる。
 今夜のメニューは " チゲ鍋 " である。 そろそろ夜が寒く感じる頃で、 暖かい鍋はありがたい。 お腹も心も満足し、 大広間で熟睡となる。


やはり宴会は焚火を囲んで、広河原がいい
暖かいチゲ鍋が、とてもありがたい

 翌朝はいよいよ魚止めまでの探索だ。 情報ではゆっくり釣りあがっても昼飯までには魚止めに着けるとあってか、 余裕で朝飯前から宴会が始まる。 おかずが全てつまみとなり、 濃い酒へと替わり始める頃にはすっかり出来あがってしまった。
 このままここで飲んで居ようかな?と思い始めた頃、 やっと重い腰をあげ、 仕度に掛かる。 もちろん田宮師匠は留守番である。 宇賀神さんを除く魚止め確認班7名で遡行開始となった。
 のんびりと釣りあがるがすぐにF1となる。轟々と流れ落ちる 5 m 程の滝は丸い釜をもつ。 左岸に手がかりがありそうなので、 飛び込んでみたがあまりに流れが強く、 あっさり押し戻されてしまった。 「 巻きましょう。 」 ・・・すぐさまルートを変える根性無しの私でした。


F1を越えてゆく

 しばらく歩くと、 F2 が現れる。 樋状のツルツルの壁をつたって何とか乗り越えた。 その上流は広河原となり、 穏やかな流れが続いていて歩きやすい。 中州状の河原が現れたが、 ここで何とも言い難い不愉快な出来事に遭遇してしまった。
 それは焚火跡も真新しい、 中州上流の水際の小さな溜りに、 皮を剥かれ半身だけ切り取られた尺近い岩魚が放り投げてあった。 最初に見つけた上田氏は、 「 ひどいことするなー。 」 と河原に穴を掘って埋めていた。 その上流では、 沢の中程にある大石の上に 8 寸ほどの岩魚が腹を裂かれて内臓もそのままに放置されていた。 「 何のためにこんなことをするんだろう 」 と全員が怒りをあらわにした。 岩魚の傷み具合から、 先日すれ違った 3 人組に間違いなさそうだ。 宗教上の儀式か何かでは、 などといらぬ推測をめぐらし、 何だか気味が悪くなってきた。


穏やかな流れの本流、しかし下流では大渋滞

 それまでも佐藤副会長に 3 匹程の釣果があっただけで、 誰も岩魚を釣ってはいなかったが、 それ以来めっきり釣れなくなってしまった。 そのまま釣果もなく、 右曲がりの角から魚止めの滝が見えてきた。 あせって竿を出した私はせっかくのアタリをものにできず、バラシてしまった。 とうとう魚止めの滝、 まずは金也さんに尺もの、 次に私に 9 寸、その次は・・・。 その次はもうなかった。 名人の数名が竿を出すも、 アタリはまったくない。 イワナはしっかりリリース。 記念撮影をして寂しくテン場へ戻る。
 結局、 田宮師匠の言う通りとなってしまった。(残念!!)


のんびりと釣り上がるが、魚影の薄さから皆に焦りが・・・
佐藤副会長の毛鈎にイワナが来た その後、また暫くアタリが遠のく
魚止にて尺モノを上げた斎藤金也氏(右)
魚止で来た尺モノ 魚止にて記念撮影だけでも・・・

 途中、枝沢の白糸滝沢へ肇さんとふたり様子見で入ってみた。 入り口から結構いやらしい小滝が続き、 沢登りであれば楽しめるかなといった感じであるが、 小さなプールでは魚信は一向になく、 結局白糸滝見学となってしまった。

写真を撮りに引き返す

高巻きか、飛び込むか議論の末に、結局全員が飛び込むことになったF1

 その晩も宴会は盛大に盛り上がる。 焚火を河原からテント脇へ移し、 「 やっぱり焚火をみながら呑む酒はいいなー。 」 ・・・ と、焚火が無くても酒さえあればいいのではと思える面々ではあったが、 それぞれに思い出深い夜を過ごすことができた。

お世話になったテン場で記念撮影

 翌朝も最後のイベント ( 宴会 ) をつつがなく終了し、 撤収となった。 左岸の取り付きを探しつつ、 のんびりと本流を下る。 来るときに手拭いの掛かっていた辺りを無理やり攀じ登り、 何とか尾根に辿り着いたが、 よく見るとその脇にしっかりした踏み跡がついていてガッカリした。 尾根での大休止後、 すんなりと車止めまで到着、・・・と思いきやいきなり道が切れてしまった。 散々上下を探した挙句、 やっとのことで見つけることができた。 赤黒く熟れた山葡萄をしゃぶりながら、 車止め到着となった。
 翌朝も最後のイベント ( 宴会 ) をつつがなく終了し、 撤収となった。 左岸の取り付きを探しつつ、 のんびりと本流を下る。 来るときに手拭いの掛かっていた辺りを無理やり攀じ登り、 何とか尾根に辿り着いたが、 よく見るとその脇にしっかりした踏み跡がついていてガッカリした。 尾根での大休止後、 すんなりと車止めまで到着、・・・と思いきやいきなり道が切れてしまった。 散々上下を探した挙句、 やっとのことで見つけることができた。 赤黒く熟れた山葡萄をしゃぶりながら、 車止め到着となった。




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