最上川水系 立谷沢川[月山] 

 
[報告者] 高久明夫
釣行日:2003/7/11〜13
メンバー・・・渡部信雄 、平江 誠 、高久明夫

 
 先月末の泥又釣行( 6 人)の際、 山の中で危うく遭難しそうになり、 未だ心の傷が癒えないためか、 月山越えがつらそうだからか、 今回は参加者が 3 名と少なかった。 信仰の山であり、 また夏スキーのメッカでもある月山を越え立谷沢に向かうという今回の釣行は、 私にとって心惹かれるものがあったため、 泥又川、 大蛇尾川東俣に続き疲れが溜まっていたが、 何としても行きたいと思っていた。

 hamanabe さんは 15 年程前にこのルートで行ったとのこと。 560  円を払い月山リフトに乗る。 ここまでは楽々登山であったが、 リフトを降りると登山道になり、 濃霧に包まれ 50 m先は全く見えず、 月山山頂がどこかすらわからない。

リフトに乗って、楽チン釣行・・・?

 今回はスパイクを忘れて来てしまい、 リフト乗り場で借りたアイゼン(  500  円)を履いて、何とか雪渓に埋もれた登山道を登ることができたが、 下界(夏)とは全く違う世界に迷いこんだ感がある。

 濃霧の中、 登山道を登ること  2  時間。 やっと山頂に着いたが、 まるで台風のような暴風と寒さに閉口し、   山小屋で 800  円の缶ビール  500  ml を  1 本を買い、 暫し休憩を取らせて頂くことにする。

山小屋に行って、早くあったまろう!

 行動酒(梅酒)を飲み体が温まったところで、 いざ立谷沢を目指し出発。 霧が晴れると視界が開け、 お花畑の緑と残雪の白の見事なコントラストは、 この景色を見るだけでもここまで来た甲斐があると思った。
 山頂から立谷沢まで標高差 1,000 mの下降に 3 時間を要し、 途中登山道脇にて昼食休憩を取る。

登山道脇の草原での昼食

 立谷沢に着いたところで、 テン場を探すがいい場所が見つからない。 登山道脇の小さい平地に決め、平江さんと 2 人で整地していると、hamanabe さんが 「 おーい、こっちこっち、いい場所があるぞ!周りは行者ニンニクだらけだ! 」 の呼び声にそちらに向かう。 少々狭いがここをテン場とする。 一段落したところで、 念のためにと持ってきた餌竿を取り出し、 早速試し釣りをしてみたが、  7 寸程度と型はイマイチであった。

 2 日目は天気が思わしくなく、 沢は雪シロで溢れており 「 それ行くぞー! 」 という気になれず、 朝食後もダラダラと時間を過ごす。 それでも 10:00  頃になると晴れてきたので、 昼食のラーメンをザックに詰め込み出発した。 雪シロで毛鈎はだめかと思ったが、 最初に hamanabe さんがテンカラで釣った。 型は 7 〜 8 寸だが、 この水量と冷たさにもかかわらず、 無垢な岩魚が毛鈎に出てくれたことに喜びを感じる。

7月中旬でも雪シロが・・・

 そこそこに魚も釣れたところで腹も減り、 塩ラーメンにウドを入れて昼食を摂る。 満腹で満足した hamanabe さんは岩の上でお昼寝。 昼食休憩後に上流に向かうが、 hamanabe さんはテン場に戻るというので平江さんと  2  人でもう少し釣り上がることにする。 暫く釣り上がっていくと、 気温が上がったために雪シロで水量が更に増えてきた。 おまけにガスも出てきたので我々も戻ることにした。

雪シロでも毛鈎にきたイワナ 私の毛鈎にもイワナが来た

 今日は、 泳ぎ・ヘツリ・高巻き・懸垂などなく、 のんびりとした釣りで昨日の月山越えの疲れも取れた。 上田式焚き火を囲みながら、 まったり宴会へと突入した。 これだから山はやめられない。 見上げれば星が出ている。 明日は晴れるだろうか? 酒が進み夜も更けて眠気が襲ってきたので、次々と寝床に就いた。

 3 日目、今日は朝から快晴だ。 当初は立谷沢を詰め上がり稜線に出て月山に戻る予定であったが、 この雪シロでは遡行もままならないため、 来た道を帰ることにする。 しかしこのピーカンの中、 1,000 mを登るかと思うと気が重い。 二晩お世話になったテン場を綺麗に片付け、 「 ありがとうございました 」 と一礼し、 出発。

 きつい登りも終え月山山頂に着く。 来る時は濃霧で全く見えなかったが、 山頂から見る景色は一見の価値がある。 これだからみんなきつい思いをしてでも山に登るのだろう。 山頂は登山者で賑わい、 みんな綺麗な格好をしている。 登山者から見て我々はどう写っているのだろうか? 山乞食に見られても仕方がないか。

やっと山頂に!後はリフトで帰るだけ

 下山途中、 右手にはスキー場があり、 若者達がスキーやスノーボードを楽しんでいる。 ここら辺りは登山者、 ハイカー、スキーヤー、 ボーダーに混じり、 我々山釣り  3  人と何でもありの所だ。  2 、 3 年後の  8  月にまた来てみたいと思う。 いよいよ月山リフトに到着、楽しい旅の終了となった。 



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