東北の某沢

 
[報告者] 上田  勉
釣行日:2003/5/23〜25
メンバー・・・渡部信雄、高久明夫 、渡部太郎
上田 勉、金子光男(根がかりクラブ)


 
 このご時世に、まだダム工事の計画が残っているのがこの沢で、せめてその前にと思い何度か通っている。
 萌えるようなブナの新緑と、イワナ、山菜にゆったりとつかった 2 泊 3 日の山旅は、今となっては夢のように終わってしまいました。帰りの沢筋で取ったウドの天ぷらを食べながら、釣り旅の楽しい思い出にひたっています。
 メンバーと、天候に恵まれ、初めてのリーダーとして、貴重な経験が出来ましたことを感謝します。 

 5 名分の食材の買い出し、メニュー、分担する荷物、少しの責任感。しかし渓に入ると何故こんなにも口にする物がおいしいのだろう。うまい!!最高!!いいなー!!の言葉ですべて足りてしまうような気がするのは私だけでしょうか。焚火にも満足、大満足。

 今回のメンバーは、hamanabeさん、金子さん(根がかりクラブ)、高久さん、太郎さん、上田と個性的な人達が集まりました。

 黒磯ドライブインで 1 時に合流、東北道を北上、4 時半に一ノ関インターを降り栗駒方面へ、秋田県境がもう少しというところで、先行していた上田車の前に何やら黒い物が走っている。な・・何と熊である。アッという間に藪に消えていったが、ここは熊も多いが、山菜取りが毎年行方不明になる所でもある。

 熊にも歓迎されて、6 時車止め着。テン場が 1 時間半ほどということもあり、入山祝いもそこそこにザックからはみ出すほどの膨大な量の食料を担いで出発。寝不足の身体に足下がおぼつきません。そういえば、hamanabeさんは、先週の山菜取りで、足首をねんざしているとのことなので、スローペースで進む。しかし、斜面にウドを見つけたとたん、一番に上っていく。オイオイどこがねんざなんだよ?・・・・・・・・


 一休みしてからそれぞれで釣り上るが、近くではなかなか魚の顔が見えません。上の支流が入る所までくると、埼玉の釣り人という夫婦が上がってきたので、本流を譲り、テン場休憩組と別れ、高久さんと支流へ。やっと釣れだしたと思ったらさっきの夫婦が傍にいるではないか。言うに事欠いて、本流には釣りで入っただけだと。まったく失礼な奴らである。食べるだけの魚もそろったし、戻ると 14 時前、すでに金子さんは、ウドのみそ漬けを作っている。早めの宴会が始まりそうなので、休憩後、キムチ鍋に取りかかる。焚き木に火をつけ、hamanabeさんはサシミ、私は塩焼き。


 ここで失敗、キムチ鍋ウドンを作るはずが、生ウドンを車に忘れてしまいました。食べるものは沢山あるからいいよ、という労いの言葉を頂いて、乾杯!!!!

 ミソサザイの鳴き声、緑に囲まれ、沢音を聞きながら酒を飲む至福の一時、まぎれもなくここは源流である。

 山菜料理のプロ達が作る食べきれないほどの料理、大きな焚火の灯りのもと、楽しい一時も、いつしか、眠りの世界へ記憶が消えていました。


 次の日、目が覚めると、hamanabeさんが朝食の準備をすべてやってくれているではないか!夕べは確か・・・太郎さんと最後まで語り合っていたはずなのに・・・。年をとると外が明るくなると寝ていられなくなるようです。

 朝食もおかずが一杯、みなさん今日も健康そのものです。今日こそ本格的な釣り日和。hamanabeさん、金子さん、“釣りに来たのです。山菜取りではありません”を再確認、私、金子さん、高久さんは本流へ、hamanabeさんはテン場前の沢、太郎さんは上の沢で、昨日の夫婦がテントを張っている沢の魚止めを確認することで昼食を持って出発。暫くは歩いてから釣り上ることにする。途中、雪渓の上から流れを覗くと、いるいる小さいのが。言うまでもなく、私の一番竿は不吉、金子さんにお願いした一投目、キラッと光っただけでバラシ。二投目、同じ魚が来ている。信じられないがまたバラシ・・・・・結構な大きさでした。残念。久しぶりのえさ釣りで、魚の方が賢かったようです。水が冷たく、食いが極端にしぶい。次の大淵、さも大物がいそうである。高久さんが雪渓の上に上がりカメラを構えるが、なかなか食わない。あきらめかけた頃・・・・・デカい!!!合わせをくれて雪渓の上へ引き抜こうとするが、足下へボチャ!これで釣り技術の未熟さは確実になりました。まあどうでもいいか。

 高久さんはテンカラで 1 匹と粘るもののまったくダメで、とうとう餌に切り替え。その後はサイズは 25 センチ程度ではあるが入れ食い状態でした。雪シロが出てきたこともあり、魚止め手前の滝で納竿。

 天気は良好、山を見ながら、コゴミ、ふきのとう、ウルイ入りカレーウドンを食べて、今回の釣りは終了。いい釣りが出来ました。

 テン場へ戻ると、hamanabeさんが一人。ここは良いテン場だが一つだけ難あり。誰も人がいなくなると、ドロボーカラスがやってきて、食料から何からガチャガチャにしてしまう、と興奮している。後片付けが大変だったそうです。点検してみると、みそ、すしの素、塩には穴が、カラスの大好物のマヨネーズは勿論なくなっていましたが、食べるものは十分残っています。一息ついてから、今日の献立のカレーに取りかかり、太郎さんがアイデアをだしてくれたナンカレー。本当においしく頂きました。

 酒の肴は今日も沢山。特にカレーのために持ってきた北海道産の肉を大きいまま塩コショーし、たき火で焼けた所から切って食べるのは絶品でした。

 今日のたき火も寒さをどこかに追いやってしまう程だし、話は尽きません。その中の太郎さんとhamanabeさんの会話。

hamanabe : 太郎が釣ったところ俺は一度も見たことないなー。太郎は釣りへたくそだからなー
太郎 : 私もhamanabeさんの釣りをしばーらく見たことないです。今日 2、3 匹釣ったと言っているけど本当ですかー?
hamanabe : バカヤロー!何を言ってるんだ!持ってきて食ったじゃないか・・・・

 若干二人だけは今回の釣りに満足していないみたいです。しかし、金子さん、hamanabeさんをはじめとして、皆さん、山を楽しむ天才です。重い荷物を担いで頂き、申し訳ありません。いろいろ勉強させて頂きありがとうございました。




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