Fishing2007釣行記 釣行?記 男女8人梅雨物語り(大石川東俣あらため大日杉小屋〜K沢
釣行?記 男女8人梅雨物語り
(大石川東俣あらため大日杉小屋〜K沢)
 
  
[報告者] 上田 房子
釣行日:2007/6/29〜7/1
 メンバー:小鷹 哲、上田 勉、、高久 明夫、齊藤 敦
平江 誠、山路 由洋、大塚八朗、上田 房子
 

 
 
 はじめに この「男女8人梅雨物語」は、ある日ある時ある場所に終結した男7人と女ひとりの釣行道中です。さて、男7人とは品格ある口ひげの持ち主の隊長、渓のシェフこだわりのコック長、今一得体の知れない足長の優しき男、騙されやすい人のいい隊員、盗賊顔負け風格のある口ひげの頭領、ちょこまかと動き回る焼き鳥八ちゃん、ボッカ専門ねじり鉢巻の似合う男達であります。そして女一人が男7人にいたわりいたわられながら、男達を観察し、感じ思いをめぐらし書きあげたものです。

 第1話 盗賊事件、解決のキーワードは26(盗賊にのっとられた避難小屋)

 時は6月29日(金)。この日は、明け方から梅雨前線が活発で雨脚が強く、うっとうしくじめじめ、外に出るのも億劫で憂鬱な一日でした。昼をまわった、午後2時頃でしょうか。彼ら4人はこの豪雨の中、突然やって来たのです。修行者のごとく足早に、雨から逃げることも避けることもせずに、ただひたすら地蔵岳から下山してきたのですそのころ男女8人、それから「何をしていたのか?」と言われますと、決まっているではありませんか。昨日から熟睡しておりません。ここに着いたのは午前8時頃。夜通し車を走らせ、2台の車が引かれ合うように一緒になれたのが、小国の道の駅。やっとたどり着いたところが、ここ無施錠の小屋、車寄せあり、水あり、トイレあり、ストーブ、シャワー、露天風呂付き、さらに、いろり周りはワックスを2度掛けしたぴかぴかの床。贅沢きわまりない別荘を見つけたのです。早速、荷降ろし。2泊3日の食材はたっぷり。噛む必要のない流動食のアルコール飲料水もごっそり。当然、考えることなくやってしまったことといえば、「ん604s52穴5でsy64。」(読者の想像力で解釈してください)。
 いつに間にか、一人二人と男7人でいろりを囲んでお休みモード。女一人はマナーを守って2階でお休み。ここまではいつものお決まりのコースとなりました。「いつものお決まりのコース?」いいえ、いつもとは違っているんです。それはまだ日中。しかも男女8人が設営したブルーシートではなく、この別荘を無断で無料で占拠してしまったのです。口ひげを生やした男、豪快ないびきを立てている男、寝袋に入り横たわっている男、ねじり鉢巻き男、二十日鼠のごとく動き回っている男等々、いろりを囲んだ団らんの場は、雨音を子守唄にいつしか酒宴も雑魚寝へと化していったのです。そして事件は起きたのです。
 
 ここに、先ほどの修行者とおぼしき彼らが、草鞋ではなく登山靴を履いてあがってくるではありませんか。一歩、一歩ゆっくり男7人に近づいて来たのです。この瞬間、ラッキーなことに女一人はこの場に居合わせていなかったのです。これが後々大変なことになろうとは・・・。人の気配、盗賊のリーダーとおぼしきボスと目と目で会話した鉢巻き男は、事の重大さを察知し、必要最小限の言葉数で素早く片づけを指示したのです。「合い言葉はきたときよりも美しく!」その後、蜘蛛の子を散らすように、男5人はおとなしくマナーを守って2階で寝たのでありました。口ひげ隊長は何故かマイカーの中の運転席で寝ていたのです。きっと、いつでも脱出できるように待機していたのかもしれません。まさか・・・。そう、事件とは男7人が盗賊に間違えられたのです。思い起こせば2時間くらい前、盗賊改め役、町の駐在さんは、この土砂降りの中をミニパトを走らせやって来ていたのです。仕事とは言え、こんなところまで来たのです。「避難小屋ですからどうぞ。皆さんが使うところですし、火事には充分気を付けて。」と言い残して立ち去っていったのです。当然、男女8人は悪いことはしていないのですし、通報された様子もないのです。女一人は「管理人さんが来た!」の一言で、まだ醒めやらぬ寝ぼけ眼で慌てて下に、下から荷物を上に、また下に、下から荷物を上にと、訳も分からずただそれを繰り返すだけでした。彼らにとっては、勝手気ままに使われ、散らかし放題、好き放題。この惨状を見れば間違われるのもいたしかたございません。口ひげを生やし豪快ないびきを立て2階に行きそびれた男は、ときおり目をあけなにやらつぶやき再び寝入ってしまう。いまだいろりの周辺を占領していました。女一人はと言うとその隣で小さくなっていたのです。その場の空気を伝える威力とは裏腹の管理人とおぼしき人とふたり、相手の腹の内をお互いに探ろうと、口数は少なく、そして重く、たわいもない世間話で時を稼いだのでした。シャワーを勧められ、ビールを勧められ、住所と名前を書き、お金を要求され、まるで人質のようでした。しかし、ここから急転直下。シャワーを浴び、着替えが済んだ男二人は、飯豊町観光の広報担当者と山形新聞社の方々。さらに、先ほどの利用者名簿から、キーワードとなる「昭和26年」が、功をそうし、ビデオカメラに納めた編集前のノーカットの映像を見せてくれたのです。彼らは大日杉小屋を管理する「山小屋を守る会」のボランティアのメンバーと、飯豊連邦PRのため、昨日から飯豊山を目指す予定で地蔵岳に登ったが悪天候のため引き返してきたという。今夜は、7月からの管理人常駐のために引継ぎ会議があるので引き返してきたという。夜の帳がおりるころ、ボランティアの方々が集結してきた。手には会議用のアルコールとつまみ。中でもホタテの貝柱のお刺身はうまそう。アルコールなら任せておけばかりに、男女8人が合流。「キーワードは26」が取りもつ縁は、露天風呂の裸の付き合いへと導いていったのです。会議とは名ばかり、彼らも男女8人とやっていることは大した差がないではないか。御輿を担いで祭りを盛り上げるように、酒宴の夜は更けていったのです後でわかったのですが、町営の3代目大日杉避難小屋、公共の建造物、1泊1,500円、協力金300円、シャワー100円と、はっきりと、しかもしっかりした文字の料金表が掲示されておりました。生まれ月による今日の人生針【機知、ウイット、明るさがあなたの魅力。それが難問解決の早道だ。】 一日を振り返り、女ひとり納得するのでした。


すっかり打ち解けた合同会議
                
和気あいあいと

 第2話 私は前に進まない。私は後ろに進んでいる。(先に進まぬ釣行)

 6月30日(土)小雨、昨日の雨が嘘のように、近くを流れる白川支流は、流れも弱まり、濁りも取れていた。さて、残り一泊。今日の渓と宿を探してどこへ行く。相談しよう、そうしよう。決定!。移動開始!。私は、車中寝と決め込む。着いた、ここはどこ?。昨日の大雨の傷跡を感じながら車止めに着く。空模様も心配であるが、一度はタープの屋根、ブルーシートの床で寝ないと気が落ち着かない男達である。とにかく、コーヒー色よりも、流れの強さに腰が引けてしまう私でした。徒渉も楽々とは言えず、腰から胸へと水かさのあるゴルジュを何度となく泳ぎ進まなければならなかったのです。流れろ!」の声。二人で何かしようとしているとき、ひとりでもその気がないと事が進まないように一人でも下流に戻すやつがいれば、8人とも進むことができなくなるというのに・・・。それはない。だから、私だってひとりで八ちゃんを止めた。止めようとした。前に進むためにね。なのに、あのせりふは、マイ夫。それを見ていて高笑いした平江ちゃん。どの位の保険金を掛けたか知らないが、口止め料だって、山分けすれば微々たる額でしょう。ところで私の値段そんなに安くないはずですが。(心境は複雑です。)とにかく先に進みたくても、川底が蹴れない。右足を上膝を前に出すが、着いた足は左足のかかと。何度やっても前ではなく、後ろに進んでいるのです。そりゃ、それができる人や見ている人は、おかしいかも知れませんよ。でも、本人は必死なんですから。先に進まぬ原因は、私だけのせいではありません。8人の「気・持・ち」です。笑わないで、助けなさい。そんな中、私の体を支え守り続けてくれた優しい男達もいたのです。齊藤さん重かったでしょう、膝は大丈夫ですか。高久さん、マイ夫に意見してくれてありがとうございます。かんしゃ、カンシャ、感謝。「遅ればせながらお誕生におめでとう。」(自画自賛)。年を年を一つ加えた私は男7人に付いて行くのが精一杯でした。男が行けば女も行く。健康第一。怪我なく楽しくみんなで歩調を合わせて進みましょう。生まれ月による今日の人生指針【旅行や遠出は大吉。レジャーなら西、北の方角が最適だ。少人数で。】一日を振り返り、女ひとりまずまずの納得をする。



いざ出発
落ちるなよ〜!

 第3話 待ちくたびれたクライマックス(読書三昧の日々)

 7月1日(日)くもり。時折日差しが差し込むものの、はっきりしない空模様は相変わらず。そんな空模様と裏腹に、会長のこの3日間に賭ける「パンドラの?????」との戦いが終わりを告げたのです。どんなにか、この時を待ち望んできたことでございましょう。飲んでは一人、食べては一人、竿を出すこともなく、餌は惜しげもなく他人にあげ、徒渉の途中でも、クライマックスを求め孤独の世界に入っていたのでした。いちま〜い、いちま〜いとゆっくりていねいにめくり、満足感と充実感の感動の世界を求めていたのです。そして、その時のクライマックスが訪れたのです。「終わった〜!」の一言に込められ、満足と充実を味わったやすらぎの顔は、脱力感に変わっていたように見えました。一人で見る夢は夢でしかありません。しかし、誰かと見る夢は現実になるのです。周りに気を使い何度となく「もう少し」、「もう少し」とつぶやき、一人であえいで「もう少しですか?」と何度となく声掛け合いながら過した3日間。そして、夢は現実となったのです。会長、お疲れ様でした。本当に「後少し」が長かったですね。ところで今回何しに来たのですか?生まれ月による今日の人生指針【八方美人はかえって誤解のもと、意思表示をはっきりよ、南が吉。】一日を振り返り、女ひとりやや納得をしました。


夏の定番ソーメンも食べちゃったよ
念願のタープ下で宴会開始
夜も更けて焚き火を囲めば酒もすすむ
一人何を想う。ねじり鉢巻男。


 第4話 目的の釣行記(記憶にございません)

 6月29日(金)、国道113号、道の駅「白い森小国」大石川東俣川の山越えのはずだった。しかし、この天気は、梅雨前線が活発で午前中は大雨、午後から小雨、夜になって曇りの予報。水害をもたらすような豪雨。沢に入ればたちどころに事故。1時間に50o以上の雨は傘が役に立たず災害が起きやすい。たぶんこの日の山形はこれに近かった。メンバーは会長の小鷹哲氏は風格ある口ひげを持ち、リーダーの齊藤敦氏は料理の腕は抜群に美味しかったです。私を両腕で抱き止め助けていただいた優しき足長の高久明夫氏、マイパートナーの動きをいまだ読めないひとのいい山路由洋氏、盗賊のリーダーに匹敵する口ひげの持ち主平江允氏、茨城の八ちゃんこと大塚八郎氏、そして安い保険を掛けお金の面で助けてもらっているねじり鉢巻きの似合う上田勉の男8人、そして私、女ひとりガッちゃんこと上田房子の8人です。白川上流中津川登山口「大日杉小屋」は夕方になって雨も一休み。じっとしていられない男が二人、それを待っていたかのように動き出す。小屋脇の小沢で大中小で言えば中くらいのが数匹。その中でも大きいと思えるイワナを一匹持参。盗賊事件の誤解もとけ、酒宴の刺身になりました。30日(土)、曇りのち雨。昨年の沢とやらに再訪突入。中々進まぬ流れに皆さんの力を借りて、竿が出せるところまで何とか進むが、私はついて行くのに必死なのでパス。餌釣りで進む。高久さんの手に落ちた一匹は今宵のおかずに。天場は、昨年より上流に設営。その後、本流には高久氏と山路氏が、しかし、車止めにいたメンバーに先行され、残念。支流には齊藤さん、八ちゃん。上田ペアーの4人。出発して間もなく竿を出す。奥様ポイントにねらいを付けたが、「みみっちいポイントやめて、その上のでかいところ」と齊藤さんのアドバイスが入る。でかいところに竿を出す。グッド。今回の釣行で一番の大物?私はもうこれで大満足。さすがリーダーありがとう。後は齊藤さんに竿を渡しお任せ、まったりとついて行く。これが私の好きなこと。齊藤さん、夫とそれなりに釣果あり。今宵のメニューがまた増えた。渓のシェフ齊藤さんは押し寿司用木枠持参、食材は現地で、忙しくなりそうです。八ちゃん、釣れた?どうだったっけ?、記憶の欠落でごめんなさい。会長はこの時もずーっと読書、平江ちゃんは寝ていたような気がするんですけど。今宵のイワナの押し寿司とイワナの何々(おいしくて朝まで残っていなかったメニューです。ごめんなさい忘れてしまいました。)。何を食したかわからないくらい、飲んでしまった私です。今宵も終宴、寝床の確保に入る。八ちゃん、手足4本誰に絡んでいたの?抱き枕にされた山路さん、相変わらず人が良いですよね。長身の高久さん、苦労してましたね。平江ちゃん、またも何を問われても「大丈夫!」の返事。「あーだ」、「こーだ」、何だかんだしているうちに眠りへと誘われていったのでした。




日頃の悪行を改めなさい。

1日(日)曇りのち晴れ。

 早起きの習慣でサブの散歩をしなくてすむマイ夫は、昨日の支流に竿を持ちおでかけ。追従する山路氏。二俣で分かれ、それぞれに楽しむ。しかし、夫の動きを読めていない山路さん、ひとり戻る。心配になり再度様子見。それでも会えず、ひとり戻る。冷たい女と言われようが、ほっとくのが一番。そのうち帰って来るよ。2時間も待ってこなかったら慌てましょう。遭難騒ぎは、周りが勝手に騒いでいるだけだろうの感覚の男ですからね。山路さん、しっかり人間ウォッチングしてくださいね。修行が足りませんよ。


終わりに 

 「遊」という字は、もともとは神が自由に遊ぶという意味だそうです。だから、私たちが「遊」を使うときは、神と一緒に遊んでいるのです。これからも、神への感謝と自然の恵みに感謝しながら、自由に楽しくいつまでも遊び続けましょう。今回も無事帰宅することができました。また、私を源流に釣れ(連れ)ていって〜。多少、記憶の欠落している部分があり、誤認のされている部分があるやもしれませんが、記憶と記憶をつないでいけば何とかなるさと思い、釣行記を引受けてしまいました。そこは想像力豊かな会の皆さんです。齊藤さんの映像と一緒に新しい笑いと現実の世界を楽しんでください。
 
   「愛」ことばは来た時よりも美しく。




(うえだ ふさこ)
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