Fishing2007釣行記 信仰の山「月山」越え[立谷沢川清川]
信仰の山「月山」越え[立谷沢川清川]
 
  
[報告者] 高久明夫
釣行日:2007/8/11〜13
 メンバー:瀬畑雄三、瀬畑孝久
 田宮貴男、高久明夫
 
 
 
 
 予定していた盆休み前半の休出がなくなり、ポッカリと予定が空いてしまったため、後半の御神楽沢の前に軽く大蛇尾にでも行こうかと思い、参加者を募っていたが結局集まらず、『どうしようかな・・・』と思っていたところ、jrが翁・田宮支障と釣りに行くと言うので、飛び入り参加させてもらうことにした。 思えばこの4人は2001年の杉川(2002渓流夏号に掲載)以来のメンバーである。 jrが「立谷沢はどうだい?」と私に聞くので、『月山越えから二日空けて会津駒ケ岳越え?・・・・』 立谷沢は4年前に月山越えで行ったことがあるが、7月中旬で雪渓が多く涼しかったためか、それほどきつい印象は残っていないが、ここのところ続いている猛暑の中での月山越えはどうなんだろう?と思いつつ、「月山の眺めは綺麗だし、いいかも。」と返事をしてしまった。
 集合場所である瀬畑jr宅で翁が来るのを待つ。 夜中の1時半、翁が到着し一路月山を目指す。 東北道は45キロ渋滞とのニュースを聞き、矢板ICから高速に乗ることにした。 高速に乗ると今まで見たことがない程の車、車、車、に絶句。 どこのSAも駐車場は満杯で、場所によってはランプから並ぶ程である。 福島辺りまで行けば少なくなるだろう、とタカをくくっていたが、結局、村田JCTまで延々と繋がっていた。 衛星から見たら高速道路が一本の線となって煌々と光っているのだろう。 思わず、「この惑星の人間は夏になると大移動する」というコーヒーのコマーシャルを思い出した。

 寒河江に着く頃には完全に陽が上っていて、空を見上げると雲一つない。 これはきつい登山になるな〜と思いつつ、コンビニで朝と昼飯を買い、月山リフトをめざす。 リフト駐車場にはすでに登山者の車が多数駐車してある。 身支度を整え出発すると、程なく月山リフトに到着し、往復1,000円を払いリフトに乗る。 15分程乗るとリフト降り場に到着したが、快適なのはここだけだった。


瀬畑顧問も楽しそう
楽チンはここまで
行者さんたち
勇壮なひとコマ
山頂からの眺め


 リフト降り場からは、前回濃霧に包まれ全く見えなかった月山山頂が彼方に見える。 『ひぇ〜あそこまで登るの・・・』 3人を見ると皆無言で山頂を見上げていた。 途中、50人程の行者一行がホラ貝を吹きながら下山して来たので、休憩を兼ね道を譲ることにした。 一行は若者から年輩まで世代層が広く、女性の多さに少し驚いた。

 
山頂に到着すると、お盆前のせいか多くの登山者で賑わっていた。 山頂からは日本海、鳥海山、朝日連邦がくっきりと見える。 多分この時期に大パノラマが見えるのはめずらしいことだろう。 休憩後、一路立谷沢を目指し下降開始。 途中のお花畑は見事なもので、高度が下がるごとに花の種類が変わっていく。 この素晴らしい景色を見るだけでも、ここに来る価値は充分あると思う。 山頂から立谷沢までの標高差は1,000M程あり、道程は結構長く、沢が見えても中々距離が縮まらない。 体力も底をつきかけ、膝が笑い出してきた頃、やっと沢に降り立つことができた。

いよいよこれから!
天気にも恵まれ
この頃の支障はまだ元気


 
4年前にhamanabeさんが見つけたテン場は、その後誰も使った様子はなく、行者ニンニクが生い茂っている。 焚き火の跡もかすかに残っており、『ちょっとなつかしいな。 ここでhamanabeさん・平江さんと焚き火を囲んで酒を酌み交わしたんだ・・』などと想いにフケながら、テン場設営と薪集めに取り掛かる。 着いた時には草木が鬱蒼と生えており、皆一様に『えっ、ここ?』という顔をしていたが、寝床は平らで登り口は階段状になっており、切り開くと結構良いテン場である。

 一段落しビールで乾杯すると疲れがどっと押し寄せ、暫く動くこともできなかった。 陽も暮れ夕闇が迫って来る頃、焚き火を囲みながら酒を飲んでいると急に睡魔が押し寄せてきた。 昨夜から夜通し運転で一睡もしていなかったことを思い出し、夕食もろくに摂らずにシュラフに潜り込んだ

テン場での風景


 
明けて2日目。 今日も朝から快晴だ。 朝食を済ませ釣り支度を始める。 翁が「下って月山沢に入ってみる。」と言うので、jrと私は釣り上がることにする。 支障はテン場で留守番すると言うので、無理矢理上流に連れて行くことにした。 20分程遡行したところで竿を出すが、適度には釣れるが型は7〜8寸とリリースサイズばかりで、結局一匹もキープすることができなかった。 ここへは小屋の管理人がおかずとして出すために岩魚を釣りに来るようで、皿の上に乗るには丁度良いサイズではあるが・・・。


支障の釣り風景
さすがは支障
好ポイントが続く


 
暫く釣り上がるといつの間にか魚がいなくなり、二つの見事な沢(滝)に出くわした。 どうもこの沢はハッキリとした遡上止めはないようだ。 午後も2時を回り、記念写真を撮ってテン場に戻ることにした。 4時近くなってテン場に戻るが、翁はまだ戻って来ていない。 暫くすると生かしビクに数匹の魚を入れ戻って来たが、月山沢には魚はいなかったとのこと。


jrの後姿。やはり親子か・・・
jrの後姿 その2・・・
釣りはここで終了


 
夕方テン場でくつろいでいると、若者2人が、「この辺にテン場はないですか?」と近づいて来た。 2人は那須塩原市から来たという。 翁が「この辺はあまりいいテン場はないから、良かったら一緒に泊まるといいよ。」と同郷のよしみで泊めてあげることにした。 私が、「あの爺さん、瀬畑雄三さんだよ。」と教えてあげると、「えっ? やっぱりそうですか! もしかしたら瀬畑さんじゃない? でもこんな所に来ている訳ないよね〜。 って2人で話してたんですよ。」と感激していた。


 

3日目。今日は月山の登り返しだ。 快晴の中、きつい急登を考えるととても気が重い。 若者2人は本流を釣り上がり、行人小屋に泊まるという。 2晩お世話になったテン場を綺麗に片付け、今日の安全を誓いつつ、皆で記念写真を撮り、立谷沢を後にした。


みんなで記念撮影
若者たちと顧問


 
PS;月山から帰ったら2日空けて会津駒ケ岳越えか・・・ 本来は御神楽沢の前の暇つぶしのつもりだったのだが、かなりハードな山行になってしまった。 (御神楽沢は)自分から誘っておきながらキャンセルはできないし・・・ ん〜どうしよう・・・ 2日間で体力が回復するのかな・・・


 

この続きは次の<会津駒ケ岳越え御神楽沢>で。


(たかく あきお)
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