Fishing2011釣行記 あの空の彼方へ [朝日山塊三面川支流]
あの空の彼方へ [朝日山塊三面川支流]
 
  
[報告者] 本宮和彦
釣行日:2011/7/16〜18
 メンバー:齊藤敦、平江誠
 寺尾一木、山路由洋
 根本宏、大塚八朗
 本宮和彦
 
 
 暗く深い山々が濃い霧をまとい月の面影を残しながら朝焼けを待っている。

 踏みつけた草たちの露にとぎれとぎれの息も少しは楽になるのだろうか。
いつもの朝はいつものように明け鳥たちのさえずりと共に明るさを増していく。

 尾根が近づくにつれ笑いも出るが昇った朝日の暑さに閉口しながらも雄大な山並みを一望すると疲れも少々和らいだようだ。


 
朝日の山並みを一望


     
   つらかぁ〜〜!!
九州男児に囲まれる私


 
     
   涼しい尾根で一休み

 

 本流筋を目指しムチのようにしなる木々を支えに斜面を下り支流に降り立つとひとつ前の季節かと思うようなウルイ、ミズ、ウドが瑞々しく出迎えてくれる。
それを一掴みザックに押し込み雪代も治まった本流を見渡し青い空と新緑と焦げたようなスラブとのコントラストが非常に目に鮮やかだ。

 今宵の宿営地が見えてくると何故か我が家に帰って来たような懐かしく落ち着いた気分になった。

 今回は総勢7名の大所帯。テンバにはタープを2枚張り雨対策も万全、目の前の流れで山越えの汗を流す者もいれば既に薪を集めと思い思いに我が家を確認しあった。

 
渓に降り立つと一つ前の季節が広がっていた

食べごろの山菜たち

     
   初夏の太陽と残雪のコントラスト

 

 
 山越えの疲れと沢水の冷たさ、これはビールでしょうとばかりに河原での宴会が始まった。
今日は誰も釣りに行かないと云う。沢風が涼やかで皆上半身裸で男だけのむさ苦しい宴会の始まりである。


U田さん直伝の薪集め

みんな揃っての”乾杯!!”

なぜか上半身裸です



 朝目が覚めると少し肌寒くシュラフにもぐりこんで正解だったが八ちゃんの大イビキで皆一様に寝不足のようだ。


 朝食は平江さんお手製「源流鶏飯」がお目見え。
昨夜から焚火で鶏肉から出汁を取り塩、醤油で味を調え炊きたての白米に掛ける。そこへ出汁を取った鶏肉をトッピング。
これがまた、旨い。
腹いっぱいになるのがもったいないと思うほど旨かった。

 今日は2日目でもあり昨日の山越えの疲れも癒えた面々はテンバ上流域へ釣り竿を携え軽快に出発。

 非常に開けた渓相はテンカラ、フライにも釣りやすく大きな釜を持つ滝はエサ釣りの独壇場である。

   山路隊員!卵焼きをヨロシク!!

 
     
   平江さん特製 源流鶏飯
鶏肉から一晩かけて出汁を取り塩と醤油で味を調えます
これはマジで旨かった!!


 
     
さぁ!今日は1日釣り三昧!!
仙台のもっちさんたちが見送ってくれました
(上段左から3人目、4人目)

絶好のポイントに竿を出す山路隊員
ヒトフタマルマル発進!!

     
   撓っています
頑張れ!山路隊員!!


 
     
   開豁な流れに舞うフライ
行け!丸八商店!!


 
     
   待望の一匹にご満悦

 
     
   齊藤さんも一休み
ん??平江さん?何をお持ちですか??
正解は「ロッドケース」です。

 
泳ぐか・・・ 高巻くか・・・
私は前者を選びました

平江さんもテンカラでかけます

     
   齊藤さんがかけた尺イワナ

 
旧魚止めの滝は右岸を直登
山路隊員、どこまでも付いていきます!

昼飯は夏の定番 ソーメン


 魚止めの滝も半信半疑、本当はまだ上にも魚影があるのでは?と寺尾、平江、八ちゃんで探索に出掛けたようだ。

 釣り竿をたたみ日向で帰りを待つことにした。
その間滝壺を泳ぐ(?)者、昼寝をする者と銘々に時間を楽しむ。

 上流部の結果はと云うと・・・
行かれたメンバーに会う機会があったら聞いてみてください。

二条に流れを分ける魚止めの滝

その滝をのぼる者、押されて溺れる者、押して大喜びする者




 集めた薪を積み上げ火をかざし夏の夜は過ぎて行く。

 いつしか車座に座り込みお互いの顔が燈色にそまり更けゆく頃、宴も終焉を迎え誰からとなく夢の世界から現実へと引き戻されるようだ。

  
     
   夕闇せまるテンバで一息

 
   
 

料理に焚火


 
   
宴会も大盛況


 
     
   眩しいテンバの朝

 
   
   平江さんの激ウマチャーハン

 
   
テンバ前で記念撮影
後列左から寺尾、根本、平江
前列山路、大塚、齊藤、本宮


 
     

  



【後書き】

 この一週間後、大切な友人の行方が分からなくなりました。
懸命の捜索も空しく訃報が届き心が折れそうになり気持ちのバランスが保てなくなりました。

 数日間必死に生き抜き帰らぬ人となった彼は今何を思っているのでしょうか。
まだまだやらなければならなかった事は沢山あったはずです。しかし、彼の残した軌跡はこの会の未来に必ず役立ってくれると思っています。

 私は彼と過したこの月日を忘れることはありません。
私が年老いてふと、彼を思い出した時、笑顔は輝いた若い八ちゃんのまま私をこの季節へ連れ戻してくれるはずです。

   八ちゃん、楽しい思い出を本当にありがとう。
   
   
  
 


(ほんぐう かずひこ)
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