Fishing2013釣行記 会越古道を訪ねて
会越古道を訪ねて
 
  
[報告者] 本宮和彦
[写真] 本宮和彦
釣行日:2013/6/8〜9
メンバー:寺尾一木、村上祐司
 川田智子、本宮和彦
 
 
 
 季節は水無月

 みなづきと云えば水に乏しく旧暦になぞった7月の事かと思いきや一説によると田に水を張る月が語源らしい。


 気温が高い関東から涼しい会越への山旅を好み毎年通う古道へ今年も心が躍る。

今年は私が勤める職場の若者2人が名乗りをあげ会友である寺尾氏と共に楽しい山行がこの道と共に始まった。





【人物紹介】
 
 寺尾一木  云わずと知れた当会会員。家庭を顧みず山に通う中年源流マン。
 
 村上祐司  生まれは秋田大館、幼い頃より食卓に山菜が並ぶ羨ましい故郷を離れ今は職場近くで独身生活を謳歌している。

 川田智子  朝早くはから夜遅くまで仕事づくめかと思いきや最近はアコースティックギターに傾倒し始るが日に日に源流が気になる山ガール。

 本宮和彦  当会サイト管理人。このところ釣りは二の次、焚火と紅白歌合戦を楽しみに渓をさまよう。






新緑と残雪

 
 
コシアブラ

助け合いが必要です

   古(いにしえ)の道は深い森を縫って続きます

 
     
微かに残る道を頼りに

川田さんも頑張りました


御褒美のカタクリお花畑




 
テンバが見えてきたので若者たちに大声で知らせる。

 作り笑いでない笑顔が印象的だ。

 「これが象さんですか〜!!」

 と二人がこのテンバの主に歩み寄り鼻である幹をなでなでしているかと思えば頭にまたがり記念撮影。

 初めての野営であるため私があれこれ指示しなんとか寝床の完成。
 それではと上流部探索に出掛けることとした



いつものいつもあるテンバ

インドへの旅


     
  さあ、上流に向かいましょう

 
 


 古(いにしえ)の道はところどころ不明瞭である。まだ下草も生え揃っていないため盛夏よりは歩きやすいが残雪があるため変わらずといったところか。


 左岸の巨大なスラブからずり落ちてきた雪が渓を塞いでいる。


 自然の驚異を目の当たりにし村上君も川田さんもまさしく目を丸くしていた。


 太陽が照る河原で昼食にしようと腰をおろし、秋田名物「稲庭うどん」に舌鼓。寺尾さんの4人ではちょっと多いかな?の言葉も食べ始まればどこ吹く風。




スノーブリッジもこの時期安定していました


青空とスラブとスノーブリッジ


   良い天気の下、楽しい昼食


 
  

 それでは釣りをと思った矢先、下流から二人の釣り人が歩いてくるのが見える。

 「こっちの沢に入ってもいいでしょうか?」

 思案するに時間は要らず「どうぞどうぞ」と快く譲る。

 天気も良く清清しい源流でのひとコマであるがやはり譲り合う言葉は気持ちがいい。(せっかくドバミミズを採ってきてくれた寺尾さん、ゴメンナサイ)




     
     
 

  テンバに戻りめいめいの時間を過ごしながら乾杯のビールを開ける。

 渓風がさわやかに吹き流れる中、焚き火が煙を燻らせながら暖かさを伝え始めると夕餉の準備が始まる。

 村上君と川田さんは焚き火の脇で今日の楽しかった行程のことでも話しているのだろうか。それともとんでもないところへ来てしまったとひそひそ話しで嘆いているのだろうか。

 私は是非とも前者であって欲しいと思いながら山菜の下処理を続けた




     
   疲れた2人はシュラフで夢の中


 
焚火は宵闇を焦がし更に燃え続ける






 翌朝は定番の薄闇白々と明ける朝の沢面に漂う霧が目にしみ、朝焼けを待たずいつもの朝はいつもの熾きを呼び戻すことから始まる。

 村上君が沢水で食器を洗ってくれている。川田さんはまだまだ夢の中。

 手なれた朝の支度は程なく出来上がり皆皆の口へ運ばれ今日一日の原動力となったようだ。



ウドは味噌汁に


木漏れ日が朝餉を照らす


     
  眼下に広がる開豁な流れ

 
 
     
     
     
   初めての源流で一枚

 
     

 
 〜会越古道
 
 人里離れた古の道は私の心に響き続けいまも瞼に鮮やかによみがえる。

 旅人たちの足音が木霊する山々にはたがわず拘り続けた山の民の香り高き道が今もひっそりと息づき、明日も糧をもたらす尊い道であるであろう。

 次の緑の季節には山を越えまた違う景色に会いに行こう、そしてこの道には終わりが無い事をこの目で見るまでは。





(ほんぐう かずひこ)
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