Fishing2013釣行記 秋田釣行記[秋田県成瀬川支流]
秋田釣行記[秋田県成瀬川支流]
 
  
[報告者] 高瀬賢一
釣行日:2013/8/某日
 メンバー:小鷹哲、小池卓
 橋本洋文、高瀬賢一
 
 
 
 
 怪我から復帰したとはいえ、まだ万全とは言えない小鷹顧問と、順調な釣果を上げ続けている小池会長、そしてその一番弟子の橋本氏、おなかの出た私の四人のメンバーで秋田釣行はスタートとなった。出発の時間が少し遅れたものの、早朝三時に車止めに到着、入山祝いの後仮眠を取って六時スタートとなる。

  『 眠いー。 』

 暗い夜道では気付かなかったが、明るくなって周囲を見渡すとススキとトンボと萩の花、山はすでに秋の気配に包まれて、シーズンの終盤を迎えているようだ。

  『 寂しいー。 』

大きな橋からの景色を楽しみながら渡り、橋の袖から斜面を下り川へ出る。沢は水量が落ち着き遡行しやすく、小鷹顧問を先頭に楽しみながら進む。

1日目の遡行途中

     
   大岩と記念撮影

 


 


テンバの設営です

ビールも冷え冷え!!



 
途中大岩が出現、『 ここからテンバはそう遠くないよ。 』と小池会長。

 やがて沢が合流するあたりにテンバが現れる。さっそく担ぎ上げたビールを沢に冷やし、テンバ設営の完了を待って冷えたビールの栓を抜く。いつものように釣行の無事を願って一滴を大地に捧げ乾杯となる。

  『 うまいー。 』

 さっそく寝不足解消とばかりに寝袋に潜り込む人、晩飯のおかずを調達すべく竿を持って沢に入る人、思い思いの時間を過ごす。

 小池会長の予定では、今夜は岩魚の握り寿司との事で、早速私が調達に出かける。盆明けの沢はさすがに渋く、形も数も思うに任せず調達にてこずる。八寸を4匹生かして持ち帰り、四時過ぎ寿司飯の出来上がるのを待ってシメル。

 いつもは小池会長に握り、稲荷寿司を作っていただくのだが、今回は私と橋本氏の二人で作る。(巻き寿司は初挑戦で形整わず、次回を期待)味の評価は

  『 ベリーグッー 。』
 

 おいしいビールと岩魚寿司、これに焚き火が加わり、後は仲間の渓への熱い思いを聞けば、私にとっては心地よい感動の三重奏となる。


イワナ寿司と海苔巻・稲荷
その1

イワナ寿司と海苔巻・稲荷
その2


カレーの出来上がり〜




 
夜半フライシートを叩く雨音に目覚めると、増水に備えビールを沢から高い場所へ移し終えた小鷹顧問が『 けっこう降ったねー。 』と声をかけてきた。翌朝確認すると、高い場所に置いたはずの私のコッヘルが、沢に奉納されたようだ。コッヘルかビールかと問われれば間違いなく奉納はコッヘルと言う事になるが、それにしてもだいぶ水位が上がったようだ。

 今日二日目は二股のどちらかの沢を魚止めまで詰める予定だ。天気が少し心配ではあるが、雲は所どころ切れており青空ものぞいている。何とかなりそうだ。まず朝飯をいただき、弁当を作って出かける準備をする。朝飯は釜揚げソウメンを温めた露の中へ入れ、その上から小池会長特製のさば缶入りカレーをかける。コクが有ってこれが旨い優れものだ。カレーは鍋で作り置きし、朝一度火を通すといつでも美味しくいただける便利で旨いオカズなのだ。


朝食のカレーそうめん




 
弁当に握り飯を八個作り二個ずつ配る。橋本氏肩の調子が今一つ良く無い為、テンバで留守番を申し出る。やむなく三人で出かけることになる。


 沢の出会いまではさしたる危険な箇所も無く順調に到達する。左右どちらの沢へ入るか相談するも、入りにくそうな左を選び小鷹顧問を先頭に進む。三十分程進むと滝にぶつかり、右手にある巻きを越える。少しナメが続きその後平瀬となり、毛鉤釣りには最高の渓相が広がる。空を見上げれば流れる白い雲と抜ける青空、周囲の緑を写す緩く流れる川面、走り出す岩魚の影、釣り師なら誰もが憧れる桃源郷がここにある。

 最高の場所に誘っていただいた小池会長に感謝、感謝、感謝。

  『 サンキュー。 』

 今年初めて竿を出した小鷹顧問にも良形が出、写真に収める。交互に竿を出して釣り進むが、適当なアタリになかなか距離が稼げない。ここで不思議なことに気づく。釣れて来る岩魚は雄ばかりで、たまに雌が混じるばかりだ。小池会長曰く『もしかして、まだ八月の末だから、まず雄が産卵場所を確保しに上流に登り、後から雌がやって来て産卵行動に入るのでは。』と言う仮説を立てた。これは凄い発見かもしれない。長いキャリアの中からの推論、恐いる。

 ついにタイムリミット二時となり、魚止めまでたどり着かず戻る事となるが、次回の為に小鷹顧問一人魚止めを確認に向かう。ゆるゆる戻る二人にすぐに追いつき、『 S字を曲がるとすぐに魚止めの滝に出会うとのこと。 』我々も近くまで来ていたようだ。帰りは約一時間半でテンバに戻りつき、釣果を祝ってビールで乾杯をする。何十年かぶりの桃源郷有難う御座いました。


二又合流点


小鷹顧問にも一匹が微笑む


     
   生簀のイワナ

 


 
帰りは約一時間半でテンバに戻りつき、釣果を祝ってビールで乾杯をする。何十年かぶりの桃源郷有難う御座いました。私は数匹の岩魚を三枚におろし、天ぷら名人の小池会長に渡す。岩魚、ナス、舞茸、シイタケ、オクラ、平らなサヤの豆、これらの具の揚げたてを塩、醤油でいただく。当然冷えたビールと揚げたてのてんぷらは最高に相性が良い。てんぷら鍋の周りにそれぞれが陣取り楽しい宴が始まる。『 美味いー。 』明日は帰る予定の為、持ち帰る事のないビールも、焼酎も、ウィスキーも順番にいただく。焚き火には塩焼き用の岩魚がぶら下がり、焦げないように気を配る小鷹顧問、岩魚の表面は燻製のような飴色に変わっている。お腹が落ち着くと、箸よりもアルコールで満たされたカップが活発に動き、酔いが進む。会話も核心を探し難しくなり、ついには小池会長の毛鉤に対する想いが語られる。

『 毛鉤は1pの中に魂を込めた芸術品だ。 』との事。『 芸術は爆発だー。いやいや芸術は縮小か?。 』『 ちょっと会長、言い過ぎじゃない。 』ノドまで出掛かった言葉を焼酎と一緒に飲み込みました。さあ、やぶ蚊と格闘しながら寝よっと。



焚火の始まり〜

天ぷら名人
その1



天ぷら名人
その2


 
目覚めると高い空に白い雲が流れている。最終日は穏やかな朝であった。小鷹顧問の作るコーヒーが香り、その後朝飯の仕度が始まる。厚切りのハムで作るハムエッグ、これは塩、コショウでいただく。野菜たっぷりの岩魚汁。刻んだネギを大量に入れた卵焼き、これはソースでいただく。生のキュウリはタテ割りにして塩で、炊き上がりの飯にはどんなオカズでも美味い。食後は緑茶を味わい、言葉少ない大切な時間を共有する。やがて手際良い撤収が始まり、テンバは元の姿を取り戻す。全員で感謝の言葉を述べ、テンバを後に。途中岩清水でノドを潤し、最後の難関の登りに挑む


車に辿り着き、着替えを済ませると、後は最後のお楽しみの『 天空の露天風呂。 』を目指す。秋田県と岩手県の県境にある名湯須川温泉、今回は秋田県側の温泉に入る。ここは白濁色の少し熱めの温泉で、正に天空の露天風呂、遠くに鳥海山を望む。満足の四人ニッコリ笑って記念撮影、

  『 サイコー。 』



3日目の朝食


途中の石清水で


     
   天空の温泉
「サイコーです!」


 
     
     
     


 

(たかせ けんいち)
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