もう昔のような体力は残ってはいない方々が大半だが、人生の達人と呼ぶにふさわしい方達で、その楽しい過去の逸話を聞かせていただく席を、秋田の清流の脇に設けることとなった。
発案は江口氏である。去年のカヌー釣行は江口氏との二人旅であったが、その折に彼は60歳の誕生日を迎え、めでたく今回の参加資格を得た訳だが、『 一度ベテランの方達と一緒に釣りをし、渓流で酒を飲みたいですね。 楽しいでしょうね、瀬さん 音頭を取ってくれませんか。』との話から今回の計画をスタートさせた。(これを高瀬音頭と言う)
それに重い荷物をかついで源流に分け入るには辛い年齢の方が多く、湖をカヌーで越えていきなり源流に入れそうな今回の計画には、若かりし頃の記憶が脳裏をよぎったに違いない。釣りへの期待半分、宴会への楽しみ半分での参加をいただくことになった。
今回は計画を十分練り、怠りない準備が必要と判断、計画書にまとめた。計画書を作るということは楽しいことでもあり、参加者の顔を思い浮かべながら、あれやこれやと心はすでに現地の空を浮遊している。
18日夕方いつもの駐車場で待ち合わせ、二台の車に2艇のカヌーを積んでスタート、安達太良サービスエリアでボートを積んだ茨城組と合流、鹿角八幡平インターを目指す。深夜一時 湖手前の予定していた天場に到着、車に取り付けた長い横棒にブルーシートを取り付け。切り出した長い棒と細紐を使ってシートを張る。仮天場の完成。ランタンに灯がともり、冷えたビールの栓を抜き乾杯となる。夜の長距離運転の後だけに冷えたビールは砂にまいた水のごとくであった。