Fishing2014釣行記 秋田カヌー釣行 爺の集い
秋田カヌー釣行 爺の集い
 
  
[報告者] 高瀬賢一
釣行日:2014/7/18〜20
 メンバー:岩橋、宇賀神、前垣、江口
 加藤、半田、大高、高瀬
 
 
 
 
 

 もう昔のような体力は残ってはいない方々が大半だが、人生の達人と呼ぶにふさわしい方達で、その楽しい過去の逸話を聞かせていただく席を、秋田の清流の脇に設けることとなった。

 発案は江口氏である。去年のカヌー釣行は江口氏との二人旅であったが、その折に彼は60歳の誕生日を迎え、めでたく今回の参加資格を得た訳だが、『 一度ベテランの方達と一緒に釣りをし、渓流で酒を飲みたいですね。 楽しいでしょうね、瀬さん 音頭を取ってくれませんか。』との話から今回の計画をスタートさせた。(これを高瀬音頭と言う)


 それに重い荷物をかついで源流に分け入るには辛い年齢の方が多く、湖をカヌーで越えていきなり源流に入れそうな今回の計画には、若かりし頃の記憶が脳裏をよぎったに違いない。釣りへの期待半分、宴会への楽しみ半分での参加をいただくことになった。

 今回は計画を十分練り、怠りない準備が必要と判断、計画書にまとめた。計画書を作るということは楽しいことでもあり、参加者の顔を思い浮かべながら、あれやこれやと心はすでに現地の空を浮遊している。




 18日夕方いつもの駐車場で待ち合わせ、二台の車に2艇のカヌーを積んでスタート、安達太良サービスエリアでボートを積んだ茨城組と合流、鹿角八幡平インターを目指す。深夜一時 湖手前の予定していた天場に到着、車に取り付けた長い横棒にブルーシートを取り付け。切り出した長い棒と細紐を使ってシートを張る。仮天場の完成。ランタンに灯がともり、冷えたビールの栓を抜き乾杯となる。夜の長距離運転の後だけに冷えたビールは砂にまいた水のごとくであった。


2艇でダム湖を悠々と渡るはずが


ライフジャケットを身に着けて

そろそろ出発だぞー!



 気が付けば薄曇りの空が白々と明け、心配した雨もなんとか降らず、アルコールから朝食に切り替わっていよいよ釣り支度に移る。周囲は野鳥のさえずりに満ち溢れており、まさしくここは北秋田の森。今日もいい日になりそうだ。


 今回の釣行を楽しみにしていてくれた宇賀神さん、半田さん、岩橋さん、そして谷師会の会長の加藤さん、皆さんだいぶテンションがあがっている。(もちろんアルコールをだいぶ摂取されているご様子。)

 私も4年越しの恋人に会いに行くのである、どんな美渓、美滝が現れるのか、悠然と背ビレを水面にだして泳ぐ巨体に出会えるのか等々期待は高い。入渓の前の昂ぶりはいつものことで、この昂ぶりを楽しみながらの出発となる。実は今回強力な助っ人が参加してくれている。前垣氏の友人で、船のエンジンを持参しての参加である大氏、彼は茨城県で建設会社を経営されており、仕事も遊び(アウトドア)も大変忙しくされているご様子、そしてさらに茨城渓遊会の重鎮であり大変気さくな方でもある。彼が今回持参してくれたエンジンのおかげで湖を越え易くなった為、大勢の参加を呼びかけることが出来たのだ

 朝八時私のカヌーを湖に浮かべエンジンを取り付ける。前垣氏と大氏の二人でエンジンをかける。順調にエンジンが始動し三人が乗り込む。次に江口氏のカヌーを準備する。私のカヌーと江口氏のカヌーをロープで結び、一台のエンジンで二艇のカヌーを動かそうと計画しているのだ。


 しかしなんとトラブル発生、エンジンが止まってしまったのだ。どうした訳かカヌーが動いてしまい、水冷式のエンジンが岸辺の泥水を吸ってしまい止まってしまったのだ。全て順調に事が進んでは面白く無いのだが、これは今回の生命線だ。大氏と前垣氏真剣になって始動させるべく対応してくれたが、(江口氏も加わり大汗をかいて手伝う。)始動せず。残念だが機械文明無しの本格的な冒険釣行になりそうな予感。手漕ぎでスタートすることを決断する。五人と三人に分かれ漕ぎ出す。幸い今回は流木が少なく四十分程で二つの沢の合流点に到着、二手に分かれて釣行開始となる。


エンジン不調の為手漕ぎに変更


渡り切り一安心
サァ!釣りの開始!




 

 今回初めて渓流竿を手にする半田氏、それをサポートする宇賀神氏、加藤氏。一人エサ釣りの大氏、源流を確かめに行く私、それぞれに分かれ三時集合を約す。もう一方の沢には前垣氏、岩橋氏、江口氏の三人が釣り進む。


 前回とは異なり沢は減水気味、釣果は期待薄かもしれないが、見上げれば雲一つない青空、最高の好天に梅雨は明けたようだと言葉が揃う。 私には四年をかけてたどり着いた沢の入り口に立つ感動が、ゆっくりと溢れて来るのを感じつつ、静かな闘志を胸に一歩を踏みだす。しばらくは竿を出さず流れの中を覗き、ハヤの存在を確認しながら進む。時々大型の岩魚が動くが耐えて進み、2メートル程の小滝を確認する。右を高巻きさらに進むと岩魚だけの世界となる。周囲を見渡すと右手は岩の壁、左手は草木の繁る緩い斜面、沢底はナメ岩、大水が出ると岩魚の隠れる場所が無さそうだ。小滝を越えたあたりを天場にしても面白そうだと思いながらしばらく歩きそして竿を出す。


 ナメ岩の流れの筋に毛鉤を乗せると小型の岩魚が出る。手袋を水に浸けてから岩魚を外し流れに戻す。何度か繰り返すも型は小さい。膝下ぐらいの深さのヨレに毛鉤を乗せると、型の良い奴が出たがすぐに外れてしまった。毛鉤を確認すると針のアゴを伸ばされてしまったようだ。このままずっとこの桃源郷を魚止めまで歩きたい衝動にかられる。最高の気分だ。昨年の大雨、濁流を経験していなければ、安易な気分で沢を歩いたのに違いない。沢は裏と表の両方の顔を持っているのだ。(岩橋氏に言わせれば、化粧の濃いクラブのママのようだと言うに違いない。ハテ?)



初めての渓流釣り
半田さん


渇水気味の沢




 

 午後二時、雷鳴が轟き、涼風と青空に緊張が走り、急いで竿をたたむ。小走りに沢を下る途中、釣り登ってきた大氏と半田氏と合流、一緒に待ち合わせ場所に戻る。宇賀神氏、加藤氏はすでに待っており、五人揃ってカヌーに乗り込む。江口氏のカヌーにも三人が乗り込み、夕立前に戻ろうと揃って漕ぎ出す。釣果については誰も触れずであった。ライフジャケットを着て漕ぎ出す二艇のカヌー、時々大きく蛇行する江口艇、船頭が多いようだ。大きく左に曲がったと思ったら、そのまま円を書いて一周し元の位置に戻り、又直進する。加藤氏曰く、『 船艇を横に向けてこちらを砲撃するロシアのバルチック艦隊のようだ。 』と言って笑うが、こちらは五人が乗って重くてなかなか進まない。江口艇が蛇行し円を書いてくれないと、どんどん置いていかれる有様だ。


 やがてスタート地点にたどり着き、カヌーを積んで天場に帰り着く。

 シートを張り直し椅子、テーブルを再セットする。今夜のメイン料理は岩魚と野菜のテンプラ、他は湯引きウインナとソース、ケチャップ、イワナの刺身ほか、しかし岩魚がない。このメンバーで岩魚がないと言うことは考えられないが、手分けして天場近くの小沢に確保に向かう。加藤氏、前垣氏、私と大氏共それぞれ予定数を確保してもどる。


 今回は加藤氏、半田氏と二人の料理人が揃い、夕闇迫る前の宴会スタートとなる。流石にプロの料理人の揚げたての天ぷら、もう最高です。加藤さんご苦労さまでした。天ぷらのせいで口の滑りの良くなった宇賀神氏、アルコールも手伝って放送禁止用語を連発、もうアゴが外れてしまいそうです。岩橋氏との掛け合い漫才、これに半田氏が加わり、さらに加藤氏のツッコミが入る。我々若手の出る幕がありません。前垣氏、江口氏、私など只々呆れて聞いておりました。前夜睡眠ゼロの為か、九時を過ぎた頃には各々シュラフに潜ったようだ。楽しい宴会でした。翌朝テントから這い出すと、既に食器はきれいに洗われており、米も研いである。テーブルの上もきれいに片付けられている。四時起きした岩橋氏と半田氏が準備してくれていたようだ。感謝、感謝、有難う御座いました。


半田さん(左)と宇賀神さん

楽しい宴会開始




 

 飯を炊き岩魚汁を作る。今朝は天丼がメインだが、昨夜天ぷらは好評でほとんど食べ尽されて残りはわずか、それでも甘ダレを作り熱々ご飯の上に甘く煮た天ぷらを乗せ、みんなで分け合う。宇賀神さんが珍しくお替りをする。岩魚汁も好評であった。うれしいねー。


 昼用の弁当に握り飯を作る。

 本日の釣行は再度湖を越える計画であったが、皆さん少しお疲れ気味の為テン場近くの沢を楽しむことに変更する。但し今夜のメインは岩魚寿司、岩魚を生かして持ち帰る事が必要となる。それぞれに細紐を渡し、釣れたら紐につないで生かしておいて、帰りに生かしたまま回収、子犬を散歩させるように紐に繋いだまま沢を泳がせ下るのだ。成功はP,大組。 岩魚、ヤマメがアイスボックスの中で見事に泳いでいる。

 早速米を炊き、寿司酢を作り準備、魚をしめて刺身をつくる。(前垣氏、江口氏と合作)不揃いの岩魚の握り寿司、稲荷寿司、のり巻き寿司、 出来、不出来はあるものの、一番に食べて頂きたかった半田氏に好評であった事が嬉しい。(源流に入らなければ食べられない逸品です。)食べ疲れ飲み疲れ、椅子を焚火の周りに移動し、全員で空を見上げる。プラネタリウムの中で爺達は感嘆の声を上げる。説明の要らない世界だ。こんなに沢山の星を久しく見ていなかったように思う。爺達はロマンチストなのだ。



寿司用のイワナ


不揃いですが味には影響ありません


皆さん、良い笑顔ですね



 

 最終日、朝食後各自釣り山菜取りと自由行動となる。昼飯を食べ、天場撤収となり最後の目的地、大葛(おおぐす)温泉に向けて出発、のはずが私の車が動かない。車内灯が点けっぱなしになっていたようで、バッテリーがあがってしまったようだ。元レーサーの半田氏、岩橋氏、江口氏の協力を得、一時間遅れのスタートとなる。

 全員無事帰着となる。参加者の希望により、爺の会 Gの会として次回の計画を立てることとなった。




おっと・・・
高瀬号バッテリーあがりか・・・




 

(たかせ けんいち)
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