Fishing2015釣行記 笑う門には熊来たる
笑う門には熊来たる
 
  
[報告者] 安斎昌幸
釣行日:2015/9/5〜6
 メンバー:本宮和彦、山路由洋
 三瓶こずえ、安斎昌幸
 
 
 
 
 台風の影響で今週は雨が降ったりやんだりの繰り返しで週末の釣行は天気大丈夫かと思っていたが、久々に雨もなく晴れ間が見える天気になった。一泊二日のの予定にしたかったが、諸事情により残念ながら日帰りでの参加となる

 沢の状況にもよるだろうが、実は

  
 『今回の釣行は大物が釣れる予感がしていた』

 餌釣り専門である私の経験から、前日まで小雨が降り続いていたこと、当日はピーカンの天気でなかったことの二つの条件が重なっている時は捕食の活性が高く、とくにミミズは特効餌である事を身をもって実感しており大物が釣れていた経験から当日は密かに楽しみにしていた



協力しながら快適にクリヤー


     
  爽やかな山路隊員と本宮氏


 
 
 
 

 時期的に沢の水が冷たいかと思っていたが、意外に冷たくなく沢水に濡れても行動中は寒さを感じることはありませんでした。広河原を歩いていると本宮氏が

 「そーいえば前回来た時に根本氏が熊を見たんだって!この辺を渡っていったらしい」

 と話していた。山奥だから熊が出ても不思議じゃないよなと思いながらも、みんなといるから熊もびっくりして向こうから逃げてくだろうしな。みんなといれば、怖くないし…




危うく脱臼するところでした






 テンバに到着しタープを張り、寝床を整備してからサブザックを装着しさらに上流へと向かう。すぐにゴルジュが現れ泳ぎとなる。

 ここは山路隊員が先頭で突破しみんなが後に続く。

 身長170cmの私では足が届かず泳ぎを強いられる。泳ぎが得意でない私は犬かき?の改良版にてなんとか突破を試みる。かろうじて泳ぎきり体力を消耗した後に必ず思うことは、次来るまでには平泳ぎ練習しとこ…と毎回思う
 

まずは山路隊員が泳いで突破


素晴らしい渓相に癒されます


     


 

 暫く進むと右側から岩がせり出した深みが見えた。本宮氏が「ここは40センチの実績のあるポイントだから餌流してみて」の合図で餌を付け流心のやや左側へ餌を落とした。1メートル流した時、目印が止まった!急いで合わせると竿を伝って魚が暴れているのがわかる。デカイと思った瞬間に突然、道糸が空を飛び無常にもバラしてしまった。逃がした魚はなんとやらである。

 
 気を取り直して再度アタック!

 今度は核心部である流心左の深みを狙う。ポイントに餌を振込んですぐに目印が止まった。今度は確実に合わせを入れる。と同時にグウングウンと目印が水中に引き込まれていく。

 これはデカイ!

 竿を立て、しなりを利用し獲物の体力を徐々に奪っていく。竿が綺麗な弧を描いている。目印は相変わらず上下に激しく振動している。獲物は右に左に暴れまくるが岩下には入らせない。落ち着いてきた頃に、徐々に浅瀬に引きずり出しようやく確保する。


 自己最高の37cmであった。

 
 みなさんありがとうございました。



     
   ポイントに合わせ真剣に仕掛けを作ります


 
ポイントに餌を振り込む私


 
釣れてきたのは自己新記録の37センチ


     
  なかなかの顔つきです


 
 
     
  続いて次のポイントでも


 
 
     
  33センチのイワナをゲット


 
 

 こずえさんはテンカラでアタック!ラインを自由自在に操り的確にポイントへ毛鉤を落としていく。様子を後ろから見ていると、ラインがまるで生きている蛇が獲物を狙うが如く水面に向かっていくように見えた
 


 泳ぎを強いられる場面も快適に先に進む。魚止めまでは少しを残して昼食。本宮氏と山路氏が手早く調理を開始している。手伝おうとした矢先に「刺身食べたいから釣ってキープしてきて!」とありがたい声が聞こえ、先へ進む。


こずえちゃんは泳ぎ初体験


     
  翁直伝の伝承毛バリを振り込むこずえちゃん


 
 
     
  積極的に水へ入ることが安全の第一歩
どんどん入って行きます


 
 
     
  山路隊員もテンカラで狙う


 
 
     
  良いポイントですが釣果は??
増水後の影響か深みにイワナたちは張り付いています


 
 
     
  本宮氏は小さなイワナを掛け苦笑い 


 
     
  泳ぎはさながら水トレです


 
 

 こずえさんが淵周りを丁寧に流す。抜群のロケーションなのにアタリがこない。今度は底を探るように深めを攻める。2〜3度流した時、待望のアタリがきた!。竿の曲がり状態から大物が掛かっているのがわかった。抜くのは竿の負担やバレル事もあるので、そのまま魚が弱るまで待ってとアドバイスしようとした途端、既に抜きに入ってました。提灯釣り仕掛けで尺クラスを抜いたとこ初めて見たのでビックリでした。その後、山路さんに刺身にして頂いて美味しく頂きました
 
餌釣りでイワナゲットのこずえちゃん


     
  蕎麦に茄子の油炒め、魚肉ソーセージ、イワナの刺身
贅沢ですね



 
 
     
  いまだに雪の塊が沢筋には残っています


 
 
   

 テンバに戻り一息ついた。今日の釣行を振り返り自己最高を更新できた事が一番うれしかったし、釣りだけでなく沢登りの要素がある今回の釣行を企画して頂いた本宮氏とサポートして頂いたみなさんに本当に感謝の心でいっぱいでした。

 できれば、このまま夜の宴にも参加したかったのですが、ここでタイムアップ。


 
     
   皆より一段高いところから釣果を思う


 
   



 帰り道、大物の余韻を楽しみながら鼻歌交じりで沢を下っていました。


 曲はなぜか『もりのくまさん』… と、その時、前方から何かの視線を感じた。左岸の倒木脇にカモシカ?がいる!(距離にして約30M位)体を左側にし首だけをこちらに向けピクリとも動かずこちらを見ている。水でも飲みにきたのかなと思いました。灰色の巨体は存在感が大きく、私も足を止めて暫く見ていました。過去にもシカに遭遇した事がありますが、暫くすると向こうのほうが逃げていたので怖くはありませんでした。写真でも撮影しようかとカメラを構えた時、カモシカが何かを感じたかのように首が左に向いた。   

 と、その瞬間に黒い物体が左岸草むらから飛び出しシカに襲いかかっていった。

  
 『熊だ!!』

 シカは身を翻し走り出し二頭は下流へ水飛沫を上げながら走っていきました。『いや〜ビックリしたなぁ、早く降ろう』と歩を進めていくと、先ほどの熊が獲物を逃したらしくまた戻ってきました。確か歌の中でもこんなのあったような。

 先ほど見たシカよりは小さいだろうか、痩せているようにも見えた。もしかして子ども?と思い親熊がいないか急いで周辺を確認する。首下に白い逆三角形が印象的でした。


 幸い対峙している一頭のみ私を凝視し、一向に動く気配がない。完全にロックオンされていた。背を向けて逃げると襲って来ると覚えていたので対峙したまま、持っていた笛で威嚇してみた。これで逃げてくれれば御の字だな、と思っていたら、逆にこちらに突進してきた!2〜3M前進したところで立ち止まり、こちらを睨んでいる。向こうも威嚇しているのだろうか?私はイチかバチかもう一度笛で威嚇してみた。暫くしてこちらに背を向け初めに現れた草むらへと帰っていきました。『助かった』と思い笛と鈴を鳴らしながら急いで下流へとダッシュし事なきを得ました


 
     
     
     
中央岩陰に黒い塊が見えます


 
   

 いままで、野生の動物を見ることは沢山ありましたが、そのほとんどは自分が安全にいる場所からでしたので、正面から対峙する事はありませんでした。今回の経験は笑い話で済みましたが、一歩間違えれば大惨事でした。渓での行動は不足の事態に備え複数人での行動と安全装備の必要性を改めて感じました。

 次回の釣行には日帰りにならないように前もって調整しようっと
  


 あんざい編おわり。。

 
(あんざい まさゆき)
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