Fishing2019釣行記 山越えの恐怖、のち楽園
山越えの恐怖、のち楽園
 
  
[報告者] 平江誠
釣行日:2019/7/13~15
 メンバー:上田勉、平江誠
 
 
 
 
 
 


 昨年度、地図を頼りの山越え釣行「ミノコクリ沢」を敢行し、なんとか生還できたことに妙な自信をつけ、今年も源流を味わうべく梅雨真っ只中に再挑戦となった。
 当初の会の釣行計画では泥又川であったが、参加者もなく朝日スーパーラインも土砂崩れによる林道通行止めとのことで行き先を決めあぐねていたところ、上田氏の起っての希望によりミノコクリ沢に決定となった。




黒谷川(小手沢であるが・・・)やっちまった釣行に続き2名での参戦となるが、気心知れたパートナーであり最も信頼できる相棒である(褒めすぎかな?)

 3連休の前日を休みとし、道の駅ひのえまたで待ち合わせとした。上田さんは夕方には到着したというが、私は前日の飲み会がたたって出立が遅れ、結局23時の合流となった。


 翌朝は6時起床、大津岐林道へ向けて車を走らせ車止め7時到着。那須ナンバーのワンボックスが1台止まっていたが、どうせ本流日帰り釣行だろうとあたりを着け、支度を整え朝飯を食って出発とする。




 大津岐本流を渡渉し林道に這い上がり、後はひたすら林道終点まで歩くのみである。
林道終点から早速支尾根に取り付くが、これがめちゃくちゃきつい

 ずるずるの足場と潅木の藪漕ぎに大いに苦しめられ、その後もひたすら支尾根の藪を漕ぎ続けること数時間、なんとかピークに辿り着いた。しかしそこからが山越えの核心部であった。

 石楠花に足をとられ、伸びきった草木に視界も利かず、下降するべき支尾根が見つからない。手頃な松の木に登り視界を確保しようと試みたが、特定するには至らなかった。仕方なく近くの尾根で一番明確だろうと思える支尾根を選び下降することにした。




藪こぎ奮闘中


問題のガレ場


だいご(千鳥じゃないよ)


 
 しばらくは潅木に摑まりながらの急斜面の下降であったが、ふと荒れた地面がむき出しの台地に出た、と思った
途端昨年の記憶が蘇ってきた。この後左にトラバースし切れた尾根やガレ場を迂回しつつ、ボロボロになって支流に辿り着いたっけ・・・。




 荒れた台地の前方と右側はすっぱりと切れ落ち、自然と左側のがれたルンゼに導かれる。全く去年と同じルートである。時間も2時30分となり、気分的にはかなり焦りはじめるがなんとか支流に辿り着き昼飯&大休止とする。




そこからは沢沿いにすんなり進むことができ、昨年と全く同じ場所での宿泊となった。

 天気もそこそこで快適な焚き火宴会ののち就寝となる。


 
 
テンバ


焚火-1


焚火-2







 二日目はいよいよミノコクリ沢での釣りとなる。

 5時に起床、のんびりの朝食であったが、上田さん特製
「うるい醤油マヨネーズわさび和え」の登場に思わず焼酎に手が伸びてしまった。1杯のつもりが3杯も飲ってしまい、かなりいい機嫌である。それでも7時には釣り支度も終え、なんとか本流目指して出発することができた。

 歩き始めて100m程で巨大雪渓に遭遇、昨年は全く見られなかっただけに驚きである。
結局その後も2個の雪渓を越え本流に到着。早速釣りかと思いきや、二人揃って上流下流に分かれて朝のお勤めに。
 
 
 

雪渓
 

雪渓と上田さんと棒
(昼間はシルバーバックではない)


     
   雪渓

 

 気を取り直し、上田さんが本流出会いで第一投。見事にいい型の岩魚を釣り上げた。

 そこからは餌釣りとてんからで釣り上がるが、まるで釣り名人にでもなったかのように、どこからでも釣れてくる。昨年も数は多かったが今年はそれにも増して型も見ることができた。雨もほとんど降らず、時折見せる日差しに、今年も源流の季節がやって来たなとしみじみ実感できた。


 途中固着して収納不可となった餌竿でなおも釣り上がるが、取り込みにも苦労する有様で、ここらでてんからに
変更する。

 今年一発目のてんから釣りであったが、入れ食いの釣堀状態に土佐の鰹の一本釣り漁よろしく、釣っては放しの繰り返しに笑いが止まらない。
時間も12時をまわり昼飯とするところであったが、腹も空いていないということで更に釣り上がる。結局1時で納竿とし、テン場に戻ってからの昼飯とする。

 


本流出合いでの釣り




 
見事一発で


     
  本流での釣り
素晴らしい渓相


 
 




 テン場に到着はしたものの、すぐには飯という感じにはやはりはならないもので、最高の釣果に満足感をかみ締めながら一杯飲りつつまったり過ごす。

 すかさず上田さんが
「うるいマヨネーズ醤油わさび和え」で攻めてくる。こうなると飯どころの話ではなく、またまた焼酎祭りとなってしまう。

 結局飯も食わずそのままずるずると宴会突入となり、10時には就寝となった。(飲みすぎじゃー!!)
 

奥只見のシルバーバック


  


 早めに寝すぎた私は3時に目が覚め、珍しく残っていた焼酎を飲み始めた。4時まで飲み、さあ寝ようかと思うと上田さんが起きてきて「飯でも炊くか・・・」と言う。

そのまま米を研ぎ朝飯となったが、そのおかげで7時15分には出発できたので早起きもたまには良いかとその時は納得した。





 テン場撤収ののち、5分程で取り付き予定の支尾根が現れる。昨年はあまり苦労した記憶は無かったのだが、相変わらずの藪と石楠花攻撃に次第に体力を奪われ始める。ここで始めて寝不足の代償を支払わされる羽目になった。
 バテバテのまま尾根を歩いてると上田さんが「なんだこれー」と言って虫取り網を持ってきた。そういえば昨年、まさにこのルートを歩いた際、安斎君が虫取り網を失くしたと言っていたのを思い出した。しっかり回収し持ち帰ってきたので今度会った時にお渡ししますね、安斎君!・・・一冬寝かして大分熟成されてるようですが・・・


     
  冬季熟成タモ
完熟仕込み


 
 


 

 ピーク手前で岩場が現れる。ほぼ垂直に近い岩壁をまばらに生えた松の根などを手掛かりに登り終えた途端いきなり開けた空間に出た、と思ったらなんと行きに大休止をしたガレ場であった。
 やはり下降の際に辿った尾根はまさしくこの尾根で間違いがなく、ルートが解明できひと安心となった。しかし下降でこの岩場を下るのはかなり危険であり、結局左トラバースが正解なんではないかと結論づけた。 
その後なんとか尾根ピークにたどり着き、行きと同様尾根伝いに帰るか、あるいはそのまま反対側の沢へ下降するかで迷ったが、危険な箇所も無かったという誤った記憶を元に下降することとなった。

 

 藪に踏み込んだ途端、90度近い斜面に滑落しそうになったが、ここは密藪が幸いし、ザックが引っかかりなんとか助かった。
いつ潅木が途切れるか、また前方がすっぱり切れ落ちるか分からないまま、潅木を頼りに急斜面を下ると、自然に
右側の沢に導かれる
 本流までの間、若干の小滝はでてきたものの快適に支沢を下ると、本流手前でずたずたの雪渓が現れた。斜面には食べ頃のうどを発見、この辺りはまだまだ春真っ盛りである。収穫の後、残り50mの下降をこなし、無事一ノ沢
本流到着。


 後は快適に沢を下るだけだと思いきや、しばらくすると20mの直滝が現れ、またまた昨年の記憶が鮮明に蘇ってきた。行きは空身で登りザイルでザックを引き上げ、帰りはザイルで右岸を下降したっけ・・・。
 どうやって滝を降りようかと迷っていると、上田さんが「おー、ここから降りれるぞ」と左岸を降りてしまった。内心「えー、まじでっ!」と思いながらもしぶしぶ取り付くが、案の定、滝中間にあるこぶし程の足場にあと20cm届かない。30秒程悩んだ挙句、意を決してずり落ちた。なんとか止まってくれたので滑落せずに済んだが、内心ひやひやものであった。

 教訓:人間は都合の悪い事やつらい思いは忘れ去る生き物である(私だけ?)



意外と長く感じる沢下りに疲労困憊となりながら林道終点到着となった。12:15
弁当を食い、あとは車止めまでひたすら林道を歩くのみである。




皆さんも源流を味わいに参加してみませんか?
※ザイル必携です!(覚えているうちに書き留めておきます)

おしまい



(ひらえ まこと)
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