Fishing2019釣行記 オニシオガマ咲く源流酒場へようこそ [朝日連峰 荒川支流]
オニシオガマ咲く源流酒場へようこそ
[朝日連峰 荒川支流]
 
  
[報告者]齊藤敦 
釣行日:2019/9/6〜8
 メンバー:上田勉、齊藤敦、寺尾一木
 
 
 
 
 
 

本来の計画の場所は道路事情で叶わず、上田リーダーから
「朝日の○○でどうだ?、前に入ったときには魚はいたぞ」と。


実は私も20数年前に訪ねていて山越えで源頭近くに出て渇水の時期だったこともあって降り立った時に
「え?これ本流なの?」
と言う程貧相な流れに唖然とした記憶が。

お魚はさすがにここまでくると普通の釣り人の領域とは違う為、この時は馬鹿釣りとは言えないまでも十分楽しませてもらうことができた。

 

また、日帰りでの釣りだったので昼飯位の荷で今回とは比べ物にはならないほど身軽だったけれど最後の詰め
上がりのガレ場や泥壁で喘ぎながら尾根を目指したことを思い出す。

 

さて、当日は上田さんが先着して車止めで寝ているからとのことで私と寺尾さんは私の家で出立に間に合う時間
まで仮眠してからの行動開始。

 

早朝の出発の準備に少し手間取り、目的地に近くなった頃には既に明るくなり、道を急ぐ。

上田さんが気をもんでいるかと心配したが、まだ仮眠中で「コンコン」と車窓を叩き、無事合流。

入山準備の最中に目の前を通り過ぎていく車も数台、先行者か?と少し心配になるが、上田さんが
「あんなとこ誰も行かないよ」と

 

そうだよなと自分を諭してゆっくりと朝飯をほうばり、今日は天気も良さそうだ、さあ行くぞと。

ルートは山越えの沢下降になるが、いつものいきなり急斜面に取付いて遥か高い尾根の鞍部を目指すのとは違い、今回は殆どが沢歩きなので息も切れず、給水も思いのまま。

冗談を言い合い、景色を見る余裕さえ。


晴天の中軽快に沢を詰めあがる


     
  いや〜
まだあんなに先かよ


 
 
     
  最後の泥壁登り
これが超キツイ

 
 



しかし、高度を稼げない分、だらだらと長い沢歩きが続き、これが結構長い、沢が右に大きくカーブすると今度は傾斜がきつくなり、こぶしや頭大の石がごろごろ転がり、なるべく浮いた石に載らないようにとは足を置くが、イタドリや
ススキが被さって足元が見えない。

 

やっと乗越しの鞍部が見える場所まで来て見やるとまだまだ遥か先でがっかり。沢は段々と急にそして路肩のU字溝のようになり、へたり込みたいほどだがそのスペースさえない。何とか我慢して開けたところまで来て小休止。
でも今度は件の泥壁登り。

2歩前に踏み出しては1歩滑って戻るの繰り返しでステップを切ってか細い草に掴まりながらやっとこさ尾根に。

随分来たなーと実感。尾根からは今登ってきた沢が延びていく全容が見渡せる。尾根は猫の額どころかネズミの額ほどのスペースしかなく、休憩もままならない。僅かに降りて下降する沢の源頭まで降りて大休止。ここで2回目の
朝飯で体力回復。さあ、後は沢を忠実に下るだけ、以前の記憶では難所もなく、そう時間も掛からずに降りた記憶があり、もう着いたような気分。

でも、私の記憶の何にもない小沢を下るだけが、本流に近づくほど小滝、淵の連続になり、簡単じゃない。

荷が重いこともあって慎重に手掛かり、足掛かりを探してへつりでの下降に。そんな場面で私が、草を束ねて摺り足で降りた後、寺尾さんの「あ〜」と言う絶叫に近い声で振り向くと続いて歩いていた上田さんがスリップして前のめりに滑落。

幸い、落ちた場所には岩などなく大事に至らず、一安心。今回は上田さんが食担を引き受けてくれて軟弱な私らに遠慮して大目に担いでくれていてこんなことになって申し訳ない。



本流までもう少し

やっと降り立ちました
「でかいのいたぞー」





 

僅かで本流に出合い、天気も崩れなさそうなので2回目に来た時にテン場を取った河原の場所がどうかと思ったが、上田さんが下の滝まで少し下ると広くはないが大丈夫とのことで15分ほど下流に。

滝直下の左岸には最近の焚火跡があってきれいに整地された23人分の寝床スペースが。

刈り払いすればもう少し広くなるが、寺尾さんは滝下の砂の上で寝るとのことでタープを貼って2人分のシートを敷いて2日間の宿が出来上がり。

 

テン場横にはきんきんに冷たい湧き水が出ていてビールや食材の保存に大活躍。しかし、冷える間もなくいつもの
ように早速到着ビールで乾杯と小休止。

 

今日の釣りは上流を明日に取って置くため下流に下り、ワンポイントで支流が入る滝壺を狙う。釣り下りをしながら
目的地を目指し、小1時間で垂直の滑滝で出合う支流に。

壺をには岩魚が群れていて夕餉にいただく11匹分の岩魚のみキープさせていただく。




右が本流だけど水がチョット少ないなー


いや〜着いた〜
乾杯ビールだ〜


テンバ前で釣れちゃったよ


     
  ほーら
いい型だろー

 
 
     
  寺尾寿司開店

 
 

これでもう今日の釣りは十分なのでテン場に戻り、初日の宴会の始まり。ひとりテン場キーパーの寺尾さんは既にできあがっており、私も寝不足と疲れもあり早い時間で撃沈。

 


翌朝は暗い時間に目が覚め、みんなを起こしちゃ悪いと思い、まどろんでいると上田さんも少し前から起きていた様子。

熾きの残り火に木っ端をくべてコーヒーと朝酒を少々やり、まったりと朝飯時間を過ごし、さあ、今日の釣りだ。今日は魚止めまで行く予定だが、あまり遠くはないのでゆっくりと釣り上がる。

昨日降りた山越えの支流の先から私はエサ、上田さん、寺尾さんはテンカラで。

岩魚は数はいるものの全体的に小振りで水が少ないこともあってつい、浅瀬に付いた岩魚をけ散らしてしまい思うような釣りがなかなかできない。ポイントは水深のある場所での釣りが主体になってしまうが、そうは言っても源流、岩魚は適度に楽しめる程度に釣れて放流を繰り返す。10時過ぎに見覚えのある魚止めに到着、まずは上田さんが第1投。やはり岩魚が溜まっているようで瞬く間に尺サイズを釣り上げる。

次に私に代わるが、底に定位している岩魚がたまにエサを見に来るだけで掛からない。ま、十分な釣りをしたしこれで満足。

話に寄るとこの魚止めの上に岩魚を上げたことがあると聞いたが、もし定着していたとしてもそっとして置きたい、種沢としてこれ以上は釣りの対象とするのも気が引ける。


上田さんがテンカラで釣り上がる

ほれ
どんなもんだ




 

真新しい熊?
いやカモシカの足跡が


さあ
私の番ですがどうでしょうか??



     
  やはり名人にかかるとこうなります

 
 
     
  魚留めでねばりますが

 
 

予想よりも早く留まで来てしまったこともあって昼飯はテン場に戻ってからにしようと釣り上がった沢を下る。

今日もピーカンで昼飯、昼酒の河原に当たる直射日光が暑いほどと贅沢な天気。

日陰に宴を移し、のんびりとした時間を過ごす。時間を持て余すとテン場前の滝にテンカラ竿を振り、サンダル履きで釣り。少し時間を空けると78寸が同じポイントで掛かる。



 

昼寝をしてさあ、今日は中日のメインの宴会。上田さんが用意してくれた、自家製野菜やカレー、寺尾寿司による「握り」と奥山にしては贅沢な料理に舌鼓を打ち、酒が進む。

空は満天の星、焚火も最高、ここまで来る苦労、帰る苦労は半端じゃない、でもだから止められない。

酒も尽きかけた夜更け、やっと寝床に。
 


今日も美味しいお酒と料理で

おめえら勝手に飲んでろ(上田)

2日間で6匹頂き、骨までありがたく


酒飲みばかりじゃないよ〜


今日のイワナは天ぷらで



2日酔いの寝ぼけ眼で起きると今日もピーカン、これで山の登り返しなら辛いが沢なので雨なんか降られるよりも
大歓迎。

残った食材を朝飯で平らげ、テン場をきれいにして出発。今日は同じ道を登るだけ、しかもずるずるの泥壁も下りなら多少の難儀で済みそう。

オニシオガマやミヤマリンドウを愛でる余裕で来た沢を登り返す、ピークから見るこれから下る沢がずっと遠くまで
見渡せ「え〜、あそこまでか〜」と。

でも天気も良く、森林浴気分で距離を進め、来た時よりもかなり早いタイムでの車止め着。



 


   さあ、撤収です
綺麗に片づけて


 
     
   テンバ前で記念撮影
上田さん!笑って!!

 
     
   私も一枚

 
     
  帰りも水が切れるまで沢を詰めます


 
 
     
   やっと泥壁まで来ました


 
     
   寺尾さん
お疲れのようですがもう少し


 






禁漁までは1か月を切り、最後はいつものあそこで締めの予定、今年も良いシーズンになりそうです。

自然と仲間に大いに感謝です。




3日連続のピーカンでした




 


(さいとう あつし)
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