Fishing2019釣行記 廃人への階段を上る いろんな最高が詰まったシーズン最後の釣行記

廃人への階段を上る
いろんな最高が詰まったシーズン最後の釣行記



     
 
  
[報告者]白井純一 
釣行日:2019/9/27〜29
 メンバー:齊藤敦、林出政治、小鷹哲
平江誠、寺尾一木、白井純一
 
 
 
 
 



本年度新入会して齋藤さんのプライベート山菜釣行と水トレにしか参加できずにいた私は、毎日毎日会の釣行記録を読みふけってはまるで他人事のように笑い、驚愕し、時には感銘を受ける毎日を過ごしていた。


会の釣行記録を読むと雨の中の濁流の中帰還や、山越えでの入渓、ルートミスによる懸垂下降といった遭難さながらな記録が並ぶ中、自分に付いて行けるか正直不安でたまらなかった。


シーズンも終わりに差し掛かり、せっかく会に入会したのにこのままではいけないと自分を奮い立たせ、シーズン最後の会の釣行に参加するべく、リーダーの齋藤さんへ連絡を取り、

2泊での計画だということを知り仕事が休めるか確認するため少し時間をいただき、休めるという確認をとれたことで晴れて参加表明することとなったが、社会人としてははっきり言ってクズのような『それっ!!』と後輩に仕事を押し
付け晴れて再度参加表明できた次第である。もうこうなれば何が何でも楽しむしかなく仕事のことなど微塵も考えることはなくなったが、ただ一つ気がかりなのはいつもなら一日二日程度で治るはずの痔が三日も引きずっていることくらいか。デリケートになったお尻と共に文明から離れた山奥へ行くのは一抹の不安はあったが、持ち前の楽観的な性格とプラス思考でいつしかこれもどこかへ消え失せていた。こうして私は廃人となるための、私にとっては大きな
第一歩を踏み出したのである。

 

結局仕事を任せて来た甲斐あって、集合場所へ到着したのはAM0:30頃。

2台の車が止まっていたが中は暗く就寝中であったため軽く明日の準備をして自分も早々に休むこととした。

 


AM5:00早朝車を出ると一同思わず寒いと口走る。すっかりガラスのように硬くなった冷気が身を引き締め、季節は
いつのまにか秋が始まっていた。

各々朝食を食べながら荷造りや身支度を整える。齋藤さん以外の方とは私は初対面で、軽くご挨拶をした。

AM7:00頃、靴紐をしっかり結び、さぁ出発だ!!

 

歩きだし僅かの急登手前の水場でピンソール装着の儀と水分補給をする。

私はピンソールの準備を怠りまた不安要素が出てきたが、持ち前の能天気と忘れやすさでカバーする。

道中は舞茸を探しながら、諸先輩方からあの木この木と指差し指示を受けてはリモコン君となり多事多端、東奔西走ひたすら舞茸の確認をするが、一向に見つからない。

自身、天然舞茸が自生している様を見たことがないため、今回はそれを自分の眼で見ることも目標にしており、俄然やる気はあるのだがなんせ相手は自然である。そう甘くはない。

そうこうしているうちに急登へ突入した。

小鷹さん、齋藤さん、林出さん、寺尾さんはゆっくり舞茸を探しながら行くので、私は平江さんと先に行ってテンバを
作っていてほしいという最重要機密任務を仰せつかり、それはなんと名誉なことかとまた張り切って平江さんの後を追うこととなったが、いやいや化け物である。20ほど年が上にもかかわらず全く追いつけないのである。

ついには全く見えなくなり、知らぬ山奥のただの踏み後を一人黙々と歩くこととなり精神が崩壊しかけたころ、私の中の悪魔が

『平江さんのリュックは空だ。』

『あのリュックの中はヘリウムで、平江さんは浮いている。』

『平江さんは人じゃない。』

などとささやいてくる。

色々な可能性を検討しもう少しで結論が出るに至るころやっとピーク手前になり、平江さんが休憩しながら待っていてくれた。ここからすぐ下降になるという。

下降は下降でフェルトソールの私の足元はずるずるで何度も転びほうけ、危うく谷底へ消えるところであった。
痩せ尾根なんかでも軽やかにステップを踏みながら下降する平江さんに、後ろからスライディングを何度かかまして
しまい、途中非常に分かりにくい分岐点も僕がきっと間違えるだろうと予知しており待っていただいていたのは本当にびっくりした。

お気遣いありがとうございます。




色付き始めた山々。(あれ…?指が写っている…)






何とか予定通りの沢へ下り、小休憩を兼ねてミズを採取する。

テンバまではもう一息。途中でぽつぽつと魚影を見るようになり、尺くらいのイワナが岩陰にいるのを発見したが、平江さんがテンカラを振るも私の姿を見られた後では分が悪く無反応だった。テンバすぐ下で私もルアーを投げさせていただいたが反応がなく、残念ながらお留守だった。(たぶん)

その間平江さんが舞茸を見に行くと、小さいがなっているとのこと!木に生えたところを見たことがない私のために
戻ってきて呼んでくれた。

早速カメラを持って人生初の天然舞茸生息状況の観察をする。なるほど、これが舞茸が自生する様か…。
事前情報の通り確かに木の根元になっている!そして『ゥワッ!』っと力強く炎のような独特の傘が広がり何だかかっこいいぞ!離れたところからでも舞茸の香りがする!さすがは千年以上も生きるミズナラの木。何だかわからないがパワーを感じる。

しかしまだ小さいため帰りに大きくなっていれば持って帰ろうということになった。大きくなっていれば…。





 平江さんの後を必死で滑りまくったおかげでテンバへはAM9:00頃に到着したが、周辺には流木が少なくテンバ前後から集めることになった。4〜50mの距離をなるべく大きい流木をかき集めるのは結構な重労働だったが、焚火の光と熱でエネルギーを生成する源流マンにとっては死活問題なので一心不乱に馬車馬となる。


なんとかエコ焚火なら2日分程度の薪を集めることに成功し、一杯やるかということになって初めて自分の犯した過ちに気付いた。ビールを冷やしていないのである!慌てて天然冷蔵庫を作成し、喉を通るまでは憎き最大の重りと化した代物をすべて放り込んだ。


冷えてはいないがテンバ到着と、設営、薪集めの重労働を労い、一足早く乾杯させて頂きました。

    最高ですね!



  

平江さんの読みだと齋藤さんたちは12時頃に到着するだろうとのことで、ちょろっとテンバ上を釣らせていただくことに。

100mほど行ったところで引き返してきたが、1匹だけ釣ることに成功し、魚影はそこそこといったところ。バラしは多数あった。


ほどなくして後から来た4人が到着


寺尾さんのザックにはなんと舞茸がぶら下げられていた!最高っすね!



今日の宴は豪華絢爛間違いなし。さらに齋藤さんの手には極太のミズが…。私が採ったミズなど恥ずかしくてお見せできません。とりあえずみんな無事テンバへの到着を祝して乾杯としましょう。

各々持ち寄ったつまみと酒でカンパーイ!

天気は最高!川のせせらぎと深山の深緑。ところどころ色付き始めた景観も相まって目にも舌にもおいしい素晴らしきひと時。最高だなぁ。

五感で大自然を満喫しているという実感。普段の釣りでは味わえない、こんなひと時が実は一番好きかもしれない。

しばらくすると齋藤さん、林出さんが少し上まで釣りに行くということで、今回一眼ミラーレスカメラを持参した私は記録係として付いて行くことに。

もちろん、記録係と言いながらもしっかりと竿を持っている。

後ろから付いて行くと、確か数時間前私が吊り上がったはずなのだがお構いなしに齋藤さんはポイントごとに釣っていく。恐るべしイナゴパワーと齋藤さんの腕前である。

所々で私にも竿を出させていただいたが、しかし痛恨のバラシの連続…本当に申し訳ないです。

林出さんはというと全く竿を出さずに一緒に齋藤さんの釣りを見守っているだけであった。

こんな余裕が私にも欲しいものだ。










 




そして本日最後のポイントに到着。

今までの穏やかな表情とは裏腹に、この川の水量を一点に集中させ盛大に水しぶきをあげる見事な滝である。

両岸は切り立った岩で滝壺は深い淵を有している。

瀬尻から落ち込みまでは30mほどはあるだろうか。

齋藤さん、林出さんは左岸側から深場をエサで探るようだ。

既に足元には大物が目視で確認できているらしい…。

もちろん竿を出しているのは齋藤さんだけである。


瀬尻で大物をかける瞬間を写真に収めようと待機していると、齋藤さんがルアーで落ち込みに投げてみろとありがたいお言葉が。

それでは遠慮なくと、深さと水量を考慮して底をじっくりと探れるようにルアーを選び『バビューン』と落ち込みへ一直線、低弾道高速ライナーで狙い通りにキャスト完了。あの怒涛の水量なので底に沈むまでに多少は流されることは
承知の助で、沈めること10秒ほどでアクション開始。竿を縦にしゃくる様に誘ってみるとガツンとあたりが来たではないか!!最初はそれほど暴れなかったので門番かな?と思ったが急に重く抵抗を始め、竿がしなるしなる!

二人はまだ気づいていない。

まさか二人の足元にいた大岩魚か!?の期待もあり、『デカイ!!』と二人に呼びかける。

岩の上から確認できたようで、『デカイぞぉー』と林出さん。手前に寄って来たところで模様が岩魚ではないことに
気付く。ヤマメ(サクラマス?)だ!

ここでバラしてしまっては私の登場シーンが全くなく、この釣行に来ていないことになってしまう!現に写真を撮っているのは私だけであり、後にも先にも私が写真で登場するのはここでの一枚だけなのである!そりゃそうだ、最初から最後まで写真を撮っていたのは自分だけだ!写っていてもせいぜい影が映っている程度で、影じゃ誰だかわかる
わけがない!絶対バラしてなるものか!来てないことになんて絶対させない!

と、魚とのやりとりよりも脳内での格闘がやや過激化してしまい、気が付くと林出さんが近づいて隣に来ており、大ヤマメ(サクラマス)をキャッチしていた。

あれ?いつの間に?と思ったのも束の間で、まずは林出さんで写真をパチリ。

次いで私ももちろん撮っていただきました。

これで何とか今回の釣行に存在感を残せたでしょうか。

自身、川でこんな大ヤマメ(サクラマス)は見るのも釣るのも初であり、大変感動した対面であります。

大きく立派なヒレに顔は可愛いヤマメのまま。きっとここまで頑張って遡上してきたのかな。ペアリングもしていたようで、おそらくたくさんの子を産んでくれることでしょう。

この川のさらなる繁栄を願い、優しくリリースしました。遊んでくれてありがとう。

そして千載一遇のチャンスを与えてくださった齋藤さん、林出さんありがとうございました。いやぁー最高です!





  

さて、今日の探索はここまでにしてテンバに戻って宴会だ!

今宵のメニューは、岩魚の刺身、舞茸の天ぷら、エビとチンゲンサイと卵の中華炒め、モツ炒め、無限ミズと、
多種多様で源流にいることを忘れてしまうようなメニューに舌鼓を打つ。

頑張って集めた焚火も、秋の夜長の人肌恋しくなった渓にはまた一層いとおしい存在となる。

舞茸の天ぷらは明日の保証がないため一人3、4切れのみ。それでもやっぱり天然物は最高にうまい!

残りは朝に舞茸ご飯で食べるため取っておくので苦渋の選択であるが仕方なし。

もっとたらふく食べたいが食べたいなら採ってこないとダメですね。

採れなかった自分には何も言う資格なしでございます。



     
 

 
 


 

そうこうしているうちに小鷹さん、林出さんは一足先に横になり、起きている人でいつの間にかカラオケ大会が開催
されていた。

平江さんと齋藤さんの甘い歌声に酔いしれ、寺尾さんはいつも通りのビールに“コク”を追加ですっかり出来上がり、明らかに焦点が合っていない目と呂律のまわっていない口で愉快に歌っていた。


 



ここら辺から私も記憶が曖昧になり、平江さん、寺尾さんに過去の釣行のお話を聞いたり、残り物を使ったマーボー春雨を作って食べたような…。

よくわからないが『ドゥーワッ、ドゥーワッ』などと口ずさんだような…。

ほぉ〜ねのずいまでしぼれ〜たような…。

ただただ、この瞬間がいつまでも続いてほしいと願っていたのは確かである。 


 

  



しかしながら朝は必ず来るもので、翌朝は一番寝坊してしまった。

先輩方を差し置いて申し訳ございません…

起きるとすでに皆さんコーヒータイムを済ませ朝食の準備中。

朝からボリューム満点な朝食で元気が出る。なんといっても舞茸ご飯ですから!

昨夜の寺尾さんはビバリーヒルズで星空ビーチでベリーグッドだったらしい。


ワイルドだろぉ?


     
  朝から舞茸ご飯! 


 
 



朝食を終えると各自釣りの準備をし、昼食の食材、鍋などもザックにいれて釣行へ。

天気は今日の午後から崩れる予報なので、テンバ周辺の荷物なども増水に備え高台へ移動しておいた。

途中途中綺麗な滝や景観が多数あり、ゆっくりまったりと釣りあがる。もちろん、舞茸探索も忘れずに。 


 


     
  あえて手難しいルートを選び挑戦する平江さん


 
     
  おしい! 


 
     
  結構な高所のヘツリもなんのその 


 
  

途中、齋藤さんが“何か”の確認へなにやら崖を登って行く。何だろう?と疑問に思い、私も呼ばれたので急いで
せっせとよじ登る。

なるほど…ふむふむ…ムフフ…ニヤニヤ…あーはいはい、ですよねー、これを、こうして、こうですか?御意!何だかわかりませんが笑いが止まりません!メンバー総出でわちゃわちゃです!私、『最高の最は齋藤さんの齋です!!』なんて叫んでおりました(笑)

 

この先もまた齋藤さんを先頭に釣りあがり、所々釣れはするものの魚が少ない…。小鷹さんも『ずいぶん減ったね。』と少々残念そう。


     
  二又で小休憩 


 
     
  名前を聞いたが忘れてしまった珍しい花 


 
     
  寺尾さんもテンカラで探るが反応なし… 


 
     
 

小鷹さんも寺尾さんの竿で探るが反応なし…。

小鷹さん 『魚いねーよ!』 


 
     
  美しいスラブの雄大な山々をバックに釣りあがる平江さん 


 
     
  しかしそこはやっぱり斎藤さん。昼食用に良型をゲット! 


 
     
  なぜか寺尾さんでパシャリ 


 
     
  支流との出会いで昼食休憩 


 
     
  昼食はイワナの洗いと、舞茸と餅入りラーメンです!齋高ですねぇ 


 
     
  

昼食後は本流組(小鷹さん、齋藤さん、林出さん、白井)と支流組(寺尾さん、平江さん)に分かれ釣りあがることに。

 

するとすぐに齋藤さんに大物が!

すかさず小鷹さんが!!

     
  大物確定で齋藤さんのまるで少年のような齋高の笑顔。

本当に釣りキチだなぁ 



 
     
  岩の下に潜ろうとするイワナとの必死の格闘!

やたら楽しそう 



 
  

何度かの滝を越え、魚止めの滝へ。

ありがたくも、滝壺の右半分を私が釣って良いよとのお言葉!

ありがたき幸せ!!が、何度も何度もルアーにアタックがあるものの、昨日の大物ですべての運を使い果たした私には一向にかからずバラしてばかり…。せっかく最後のポイントを釣らせていただいたのに申し訳ないです。

あまりルアーを投げるとせっかくのポイントを荒らしてしまうので、早々に納竿。

ここでは齋藤さんの竿を借りて小鷹さん、林出さんも釣りをした。結局、小鷹さんと林出さんが自前の竿を出すところを見ることはなかったが、それでもこの山、この渓を全身全霊で楽しんでいることが分かる。釣りだけじゃない。ここで、こうしているだけで十分なのだ。多くは語らずとも、先輩方の振る舞い、背中を見ていれば感じることができる。

本当にいい歳の重ね方をしている人たちだなぁ。


     
  



ここで林出さん、写真を撮ってくれとご依頼が。モチのロンです任せてくださいな、良い写真撮りますよぉ〜。

林出さん 『上半身な、胸から上で頼む。』

『あ、サングラス外すか。』

『口空けてっからもう一回だ!』

私    『何かに使うんですか?』

林出さん 『遺影だ!がははは!』

私    『またまたぁ〜!いかがでしょうか?』

林出さん 『おぉ、いいな!ありがとう!』



     
 

いや、マジじゃないっすか…

この夜、林出さんは300歳まで生きるとか言ってたような…。

妖怪になるとかならないとか…。 


 
  

会では遺影撮影が流行っているのか、今度は小鷹さんまでもが撮ってくれと申し出てきた。遺影撮影が得意な私はもちろん全力で撮影させていただきました。



     
  

いつかの記録で見た、本宮さんによる『君も宇都宮渓遊会に入らないか!』の構図と瓜二つである。なんだか見えない何かで繋がっているようで少々ほっこりした、優しい時間が流れた。

 

(お二人ともとても良い写真なので元データを後ほどお渡しさせていただきます。)

さて、そろそろテンバへ戻る頃合いとなり足を進める。まずは支流との出会いで支流組と無事合流し、帰り道にデポ
してきた“何か”を回収し一同帰路へ着く。“何か”は結構な量なのでみんなで手分けして持ち帰ることに。一番若輩者の私はもちろん一番大きな風呂敷を抱える代わりに、私のサブザックを小鷹さんに持ってもらうこととなった。
重さも大きさも赤子のようで、抱える自分もまるで本当の赤子を抱えているように大事に、段差や高巻きもそっとぶつからないよう、濡れないようそれはもう大〜事に運びました。自分が濡れてもこれだけは…!!

 

テンバにもう少しのところで空に降られてしまった。テンバへ到着するとまぁまぁな雨になり、河原へ残った荷物などを一同タープの下へ全て片付け、テンバ上へ隠してあった誰かがデポしていったであろうボロボロのブルーシートを
焚火横へ張ることとした。さすがは慣れた手つきで各自がやるべきことをわかっておりテキパキと作業が進んでゆく。私は指示を仰いでひたすら行動するのみである。


雨対策が終わるころには雨は本降りとなり本日の宴会はタープ下での開催が余儀なくされ、残念ながら焚火横でのぬくぬく宴会はお預けとなってしまったが、密集地帯でのこれはこれで修学旅行のようで、雨の中の増水よろしくのちょっと危険な香りという特殊スパイスが隠し味となり足の付け根の真ん中あたりがキュっとなる緊張感がまたえも言えぬわくわく感を醸し出している。

一足早く着替えを終えた齋藤さんに、もたもたしていた私は早く飲まないかとあおられ、着替え途中でカンパーイ!
もうみんな色々早すぎです。いつの間に宴会準備万端になっていたの?ナスの浅漬けをさらっとこしらえたかと思えば、料理が出てきてはみんなの胃袋に消えてゆく。各々持ち寄った乾物やサラミやニシンの山椒漬け、もちろん本日の主役である“何か”を炒め、ノリで巻いて食べるあれうまかったなぁ。



     
  


何より、本日の一番は会の裏の顔、いやむしろ表の顔かを具現化してしまった会長いじめである。小鷹さんの
おニューのエアマットの上に並べられた料理やおつまみたち。極めつけは必殺酢イカである。小鷹さんはたまらず

『酢イカだけは勘弁してくれ!臭くて眠れん!』

と懇願していたが、みなさん根は優しいので薄っぺらな新聞紙を一枚下に敷いてあげるだけで事なきを得る。
いや、優しいのはどう見ても小鷹さんか。結局エアマットはただただ食べ物を並べられるだけのテーブルとなり、
主を乗せることはなかった。




     
  エアマットを酔っ払いたちへ献上し外れで眠る小鷹さん 


 
  

早くもそんな状況なので宴もたけなわ、今日は林出さんも遅くまでご健在だ。

『俺ぁあと10年生きる!』
『俺ぁ5年だな。』
『300年生きるぞぉ。』
『もはや妖怪だよ〜。』

突っ込みどころ満載の夜は更けていく…。気が付けば雨音はなくなっていた?

昨夜も寺尾さんに言われたが、『その歳でこんな遊び覚えちゃったら廃人って言われちゃうよ。』と。

   『望むところです。』



     
  “何か”の天ぷら。 


 
  

宵も更けた頃、平江さん寺尾さんと昨夜同様にカラオケ大会が催された。昨夜の影響で私は昼間、自動車ショー歌が脳内エンドレス再生だったため、歌いたくてしょうがなかった。

私の記憶がなくなる直前におもむろにみんなが起きだしてきた(ような気がした)。そして、なんと舞茸天ぷらの夜泣きそばが振舞われた(ような気がした)ではないか!べろんべろんになった私の分も器に分けていただいた(ような気がした)が、それを食べずに撃沈したようだ。我が人生最大の不覚であります。写真も残っておりません。夜泣きそばなんてなかったのかもしれません。

 



そんなこんなで翌朝AM5:30頃、齋藤さんのお呼びかけで目を覚ます。

『白井君!雨がまたひどくなったら朝ごはん食べずに撤収して帰るから準備してね!』

緊張が走る。ついに来たか。よく記録で見る“ヤバイやつ”だ!

雨脚は強くなり穏やかに流れている川には葉っぱや枝が流れてくる。そしてみるみるうちに増水し濁りが入り、
先ほどまであった河原はもう無い。雨脚は容赦なくタープをたたき、さらに激しさを増す。昨日までは優しい表情をして私たちを迎え入れてくれていた大自然の洗礼を大いに受ける…という一連の妄想が瞬時に頭を駆け巡ったが、何事もなかった。(紛らわしい事書いてすみません。)

結局雨はそんなにひどくならずに朝食をしっかり食べ、3日間お世話になったテンバをきれいに片付けてから帰路に立つ


     
 

 
 
     
  

出発してすぐ、テンバすぐ下のミズナラの木になっていたまだ小さかった舞茸のことを思いだす。一同、もう持てないからいいよということになったが小鷹さんが『見るだけ!採らないから!』というので待つことに…。

ガサガサ…ガサガサ…『あ“ぁ!!』(小鷹さん)


     
  その手にはしっかりと舞茸が握られておりました 


 
     



 

この後は無事?急登をぜぇぜぇはぁはぁ喘ぎながら登り、下降は雨でぬかるんだ斜面で転びながら車止めまで。
お疲れ様でした。

私にとってはこの道中すらもなぜか楽しく、常にわくわくしてハイ(灰?廃?)になっていた。自然と接するのは、
何よりも楽しい。心からそう思う。

こんなに大変な思いをしてもまた来たいと思う、釣りと山の幸と廃人たちの本当に楽しい“最高”な3日間でした。

 

最後に、諸先輩方の数々のお気遣いに感謝するとともに、至らぬ点多々ありましたこと、重ねてお詫び申し上げ
ます。また、会でも非常に大切にしている場所に迎え入れていただきありがとうございました。




 


(しらい じゅんいち)
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