4年前の7月初めに入渓した時は、大型の岩魚の歓迎を受け、楽しい記憶だけを持ち帰ったのだが、今回は残念
ながら夢を再びとはいかなかった。
特に今年は九州地方で台風の影響を何度も受け、河川の増水や土砂災害などのニュースが流れる中、比較的東北地方は安定した暑い夏を迎えていた。
良い時期に入渓できたなら、きっと4年前のあの感動をと期待していたのだが、我々以外にも期待する釣り人の数が多すぎたようであり、また先を越されたようだ。
今年宇都宮渓游会に入会された瀧田君に声を掛け、ご近所のよしみでいい釣場を紹介して上げようと同行したが、期待通りの釣果とはならなかった。
それでも楽しんでくれたのではないかと思っているが、自然が相手の遊びなのだからこんな時もあるとご理解頂き
たい。
今回は いつもの江口氏に加え、若手新人の瀧田君との三人旅である。
初日深夜に大又川の近くに到着、天場を探していると公園のような場所を発見。
何とウオシュレット付きのトイレがある公園なのだ。
軟弱アングラ―の私としては迷うことなく天場と決め、テント設営、椅子テーブルをセットし、アイスボックスから冷えたビールを取り出す。
6時間の高速道路運転の後の乾いた体には、砂にまいた水のようであった。
2時を過ぎたころ、近くで車中泊をしていた二人ずれのフライマンの一人が起きだしてきて宴に加わる。
話を聞くと既に四日目が過ぎ、明日帰るとの事。
六十代半ばのフライマンは何と我々が入渓しようとしていた大又川、朝日又川をたっぷり堪能した後だったようだ。
おまけに持参した電動自転車を駆使して源流まで移動、通行止めの柵など物ともせず行動しているようだ。( なんちゅう奴らだ。)
巻いている毛鉤もなかなかのワザ物、岩魚は一度針掛かりすると3〜4日は釣りにならないし、あーあ 残念。 気づかれないように落胆の溜息をつく。
仕方ない、一日あいだをあけるように明日は杉沢川でも入る事にしようと決めて、就寝。
明けて8月9日。
まず飯を炊く。温めるだけのインスタントカレーをかけて朝飯とする。
昼飯用にソウセイジ6本をリュックに入れスタート。
杉沢川は大きな川ではないが、流程が長く魚影も期待できる川なので、少しは楽しめるだろうと入渓