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Fishing>2020釣行記 山越えの桃源郷には山神さまの微笑みが・・・〜源流ルアーマンの誕生
[朝日連峰 某桃源郷] |
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山越えの桃源郷には山神さまの微笑みが・・・・
〜源流ルアーマンの誕生〜
[朝日連峰 某桃源郷]
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[報告者]矢萩武彦
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メンバー:齊藤敦、林出正治、寺尾一木
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大貫和之、矢萩武彦
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コロナの影響で、休日は引きこもりニートになっていた小生であったが、4連休となるシルバーウィークの好機を逃すはずもなく、人生2度目となる2泊3日のNONプチ源流に参戦を表明した。当初、本宮さんがリーダーを務める釣行に参加を予定していたが、仕事で行けなくなったとのことで、急遽、以前お世話になった、そしてまたいつかご一緒したいと思っていた齊藤さんにお願いし、同行させていただけることになった。
フライ釣りをずっとやってきた小生であるが、源流でのフライ釣りの難しさを痛感しており、違う釣りに移行すべきだろうと、会の釣行に参加するたびにその思いが強くなっていた。そうは言うもののドライで魚が食いつくあの瞬間も忘れられるはずもなく、なかなか踏み切れずにいたが、ルアーマンの白井さんと何度か会の釣行で一緒となり、渓流でのルアー釣りの魅力に心を寄せられていった。彼と出会うまではルアーといえばバス釣りや海釣りをイメージしており、源流でのルアー釣りは想像もできなかったが、ピンポイントで投げ込む艶やかな姿に魅了され、楽しそうでやってみたいと思うようになっていった。
意を決して今年の7月頃、白井さんにルアー釣り道具の購入相談をしたところ、仕事中にも関わらず、ロッド(分割タイプとビニョーン(テレスコ)タイプ)とリールが松竹梅にランキングされ、さらに白井おすすめ度が分かる☆も記載、値段と購入先のリンクも載せてある手の込んだ一覧表が届いた。
頼んだのは平日だったが、すぐに届いたので休みだったのか?と問うと、
「仕事中です。これも仕事のうちです。」
とのこと。平日、彼にラインを送るとすぐに既読になる。休日ラインを送るとすぐに既読にならない。やはり仕事ができる男、仕事に燃えている男は違うのだ。おかげ様で一通りの道具を揃えることができた。そこで気付いたのが、肝心のルアーを忘れていたこと。白井さんがルアーを手作りしているのを知っていたので、3個ほどのお裾分けを依頼し送ってもらうこととなった。
手作りのルアーも含め10個程の渓流用ルアーがすぐに届き、白井さんのたまの優しさに触れることができ、こうしてルアーマンである白井師匠とその弟子が誕生したのだった。
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白井君の僕への愛情
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楽しみ過ぎて、1週間ほど前から天気予報をチェックしていたのだが、山神さまによほど嫌われているのか、他は晴れているのに入渓する19〜21日だけが雨の予報となっていた。テレビのどこぞのタレントではないが「そこだけ〜〜〜〜!!!!」といった感じだった。
山神さまの意地悪には屈しないと誓い、その怒りを鎮めるべく、斎藤さんと私は釣行日までの天気祭りを毎晩開催することを決め、その通り決行した。連日の祭りで酒の量も相当なものに達したと思われ、その甲斐あって山神さまの
ご機嫌は徐々に良くなっていき、何とか初日のみ雨マークで他日は曇りとなった。
釣行前日の午後に有給をとり万全の体制で臨んだものの、交通渋滞にあったり道に迷ったりで、自宅を14時に出たものの到着は23時を回っていた。齊藤さんと林出さんが車中で、山神さまへ最後の祈りを捧げていたので、小生も
日本酒を持参しながら参加し、明日からの無事と好天を祈念し眠りについた。
朝、目が覚めるとそれなりの雨が降っており、「これほど飲んでも怒りが静まらないのか、こうなったら根競べ」と、今夜の酒の量を更に増やして怒りを鎮めることを誓った。
到着が夜遅くなるため、途中で休みをとった寺尾氏と大貫氏が合流し、いざ出陣となるはずであったが、なかなかの勢いで雨が降り注いでいたため少し待つことになった。
しかし、弱まる気配なく、山神さまへ挑戦とばかりに我々は出発した。
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そこからは初の山越えで渓を目指すことになる。山道は雨の影響もあって滑りやすくなっており、今回のために準備した初のチェーンアイゼンを装着。抜群の威力を発揮した(源流おすすめアイテムのかなり上位)。フェルトだけではとてもじゃないが桃源郷までたどり付けなかったに違いない。グリップ力は最高であったが、登り始めてすぐに息が切れ、徐々に足が重くなっていく。流石に15キロ程度のザックを背負っての山登りはきついと思いながら、何とか皆についていく。
特に圧巻なのが林出氏。小生より一回り以上、年上とのことだが全くバテた様子がない。ただ淡々と登り詰める。
何かで鍛えているのかと聞いたところ、農作業でついた筋力とのこと。
40代ながらついていくのがやっとの小生なのに、70超えの林出さんが飄々と登っていく超人ぶりにただただ驚いた。
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最後のの水くみ場でここから登り始めます
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「尾根まではまだまだあるな。だいぶ登らねば。」と思っていたところ、「鞍部までだから、もう少しだ」と声がかかり、鞍部?初めて聞いた言葉であり「???」となっていると、それを察した寺尾氏が鞍部の説明をしてくれた。また、小生は登ることに必死であったが、齊藤さんは鷹の目ならぬ、キノコの目で瞬時に枯れ木を見つけキノコを探していた。登ることで精一杯の素人にはとても真似できない芸当である。
そしてやっと尾根にたどりつき、桃源郷を目指し尾根を降りることになる。いやはや、その下りがまたきついのなんの。登りより明らかに急な坂となっており、膝がガクガクし、踏ん張りがきかない。ふと、桃源郷に行くことばかり考えていたが、「これって帰り登るんだよな」と思うと自然に笑いが込み上げてきた。にしても下りは登りよりは圧倒的に早く、膝がガクガク笑いながら、顔はにやにや笑いながら、目指す渓に到着し、そしていつの間にか雨は止んでいた。
到着した沢を渡ろうとした時、魚が走る。よく見ると型は小さいがうじゃうじゃいるではないか!流石、桃源郷と期待が一層膨らみ、早る気持ちを抑えるのがやっとだった。降り立った場所は本流と支流が分かれる地点となっており、その分かれ際にテン場を設営。薪を集め、タープ張り、あっという間に2日間お世話になる快適な我が家が完成した。そこでまずは、山神さまへのご挨拶も兼ねてビールで乾杯。何度も経験しているが、この最初の一口のために生きているといっても過言ではない。まして、今回は山越えでの入渓で、体が水分を欲していた。まさに命の水!!ビールが体に染み込んでいく。
一段落し、早速、夜の食糧確保のためにもお魚ちゃんとの遊びに行くことになった。支流は沢が細くルアーではなかなか難しいとのことで餌釣り師の齊藤さん林出さんが支流へ、ルアー釣りの大貫さんと小生は本流へ、寺尾さんは体調もありお留守番となった。
出発前にテン場近くでルアーの練習をしていると、すぐに大貫さんにヒット。良型の岩魚で写真をパチリ。気持ちは高ぶり大貫さんに続けとばかりに意気揚々と出発し、ルアーを投げ込む。何度か投げ込むと、すぐに当たりが。しかし釣れたのは小さいウグイ。うじゃうじゃの魚影はウグイだったようだ。標高が低いだけに混生しているようで、しかし、桃源郷だけあって魚影は濃く、投げれば釣れる。が、かかるのはおチビちゃんばっかり。ウグイ、ウグイ、ウグイ、ヤマメ、ウグイ、ウグイ、イワナ、ウグイ、ウグイといった感じでピョンピョン釣れる。それでも、初のルアーで釣れるのだから、楽しい。とても楽しい。
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テンバ近くの渓風景
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速攻で釣り上げ記念にパチリ
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そして、やっと手ごたえのある当たりが。バラさないように細心の注意を払いながら取り込むと、なんと尺近くある
ウ・グ・イ。
なんともまあツキがないなぁと思いながら、そろそろ撤収の時間だと思った矢先、また重みのある当たりが。やっと良型のイワナをゲット。キープしテン場へ戻ると、もうすでに山神さまへ向けてのお祭りが始められている。支流チームの釣果は良型のイワナ、ヤマメが人数分。これで十分とのことで、小生がキープしたお魚ちゃんはリリースとなった。
入渓初夜、あま〜〜〜い夜の始まり。豚肉と玉ねぎの甘辛炒めが提供されたのを皮切りに、源流美食倶楽部が開店した。
イワナの刺身、漬けいくら、ヤマメの刺身、刺身で手巻き寿司、塩焼き、ナスの炒めもの、きゅうり・ナス・ミョウガの
浅漬け、魚の骨・皮の素揚げ。すべてがうまい。小生が持参した唐揚げも好評をいただいた。大自然の中での宴会は楽しくそれはもう楽しく、あっという間に夜が更けていく。朝の誓いを忘れることなく、山神さまの怒りをさらに鎮めるべく、酒を飲みほしていく。
いつしか焚火の近くで寝てしまっていたらしく、「雨がパラついてきたので起こしたのだが、全く無反応だった」とのことで爆睡していたようだ。そこから復活し、さらに宴に参戦。限界まで飲み明かし、山神さまの機嫌を最大限とったところで初日は終了。
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塩焼きと焼き枯らし
うまいぞーーーー
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浅漬けといくら漬け
骨皮は素揚げに
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て〜ま〜き〜ずし〜♪
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2日目がスタートする。
モーニングコーヒーから始まり、朝からまた美味しい献立で、イワナの焼きガラシを入れて炊いたイワナご飯、みそ汁、お漬物、ウィンナー、トントロ焼きで、最後に緑茶まで入れていただいた。お腹を満たした一同は、いざ大人の遊びに。本流は昨日、小生が行った先に魚がいるとのことだったので、再度本流へチャレンジ。メンバーは齊藤さんと大貫さんと小生。林出さんと寺尾さんは支流の奥まで詰めるとのこと。
本流チームはすぐに齊藤さんにヒット。尺近いイワナであったが、そのままリリース。先で釣れるのでキープは不要とのこと。その後、大貫さんにも良型のイワナがヒット。齊藤さんもどんどん釣りあげる。なぜか小生は小魚ばかり。
「大きなのが欲しいです!!!」
と山神さまに心の中でお祈りを捧げる。
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きれいな渓相
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大物狙いの大貫氏
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そして、その祈りが通じ、山神さまが微笑む瞬間が訪れる。
齊藤さんに促され、絶好のポイントを譲っていただき、ルアーを投げ込んで引っ張ると大きな影が水の中を走った。その瞬間、ギュイーっと竿がしなり引きずりこまれる。
「なんだこれは!!!」
今まで管釣りでしか経験したことのない重み。心の中で「これはでかい!!!」と叫んだ。
ギュリュ ギュリュ ギュリュ ギュリューとラインが引き出されていく。
今度は「でかい!!」「でかい!!!」と大声で連呼していた。多分管釣りで経験していなかったら、確実にばらしていたに違いない強い引き。ギリギリの攻防。一度近くまで寄せるも、また逃げられる。ランディングネットも持っていなかったため、岸まで上げるのに細心の注意を払いながら、相当苦労して引き上げた。
ようやく確保したと思ったら、魚が暴れルアー針が服に絡まって、ルアーの前の針は小生の袖口を吊り上げ、後ろの針は大尺イワナを吊り上げ、1人と1匹は動きが取れなくなってしまって固まることとなった。
大貫さんの助けにより、袖口の針はナイフで切り込みを入れて外し、袖口に数か所穴が開くといった名誉の負傷を負うことになった。
改めてやつ見てもその姿は大きく、40センチを超えていることがすぐに分かったが、メジャーを持ってきていなかったため正確にはわからなかった。が、自己最高のイワナを釣り上げ、感極まってちびりそうになっていた。
そして突然目の前が光り、有村架純似の(個人的な趣味ですみません)山神さまが現れウインクしながら、投げキッスをくれた。山神さまが微笑んでくれた瞬間だった。
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やべ!!
袖口釣り上げた!!
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山神さまの微笑み
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服と大物を釣り上げたことで、ラインがぐちゃぐちゃになったため、交換の必要があった。年を重ねるたびに小さい物が見え辛くなり、時間がかかるようになってきため、完了した頃には相応の時間が経過していた。後を追いかけるとすぐに3メートル程の滝が現れ先行した2人はそこの滝つぼで大物を狙っていた。
少し様子を見ていると、齊藤さんが竿を収め、小生に滝つぼを攻めるように促される。お言葉に甘え何度かトライするも反応なし。
齊藤さんに「巻くのが早い。もっと沈んでから巻け。底を釣れ!」とのアドバイス。テン場近くの練習でも同様のアドバイスを寺尾さんから受けていたが、はやる気持ちを抑えられず知らず知らずのうちに早く巻きとっていたのだった。何度かアドバイスに従いルアーが沈むまで待って巻いてみると、またもや大きな影がルアーを追ってくる。かなり近くまで追いかけて来たのでその大きさは釣り上げる前から分っていた。
瞬間ルアーをとめ
「食え!!!!」
と叫ぶとまたもや竿がギュィーとしなり、ラインがまたもやギュリュ ギュリュ ギュリュ ギュリューと出ていく。先ほど釣り上げた感覚とほとんど同じ感じが竿を通して全身に伝わってくる。
「前のやつと同じかそれ以上だ!!!」
と確信し、
「これもでかい!!!」
と大声は張り上げ、この主との攻防が始まった。必死で逃げようとする主、逃すまいとする初心者ルアーマン。両者一歩も譲らずの攻防であったが、僅差で初心者ルアーマンに軍配が。何とか手元まで引き上げると、やはり、先ほどと同じくらいのみごとな大岩魚であった。また、突然目の前が光り、今度は新垣結衣似の(全くの個人的な趣味ですので、皆さんはご自身の山神さまを想像してお読みくださいませ)山神さまが現れ、ハグをしてあげると手を広げて微笑んでくれているではないか。
身を任せて近づいていくと、優しく抱きしめほっぺにキスをしてくれた。またもや山神さまが満面の笑みで微笑んでくれた瞬間だった。そう、この渓には2人の山神さまがいて、2人から初ルアーの成功の祝福してもらったのだった。やはり、日ごろから山神さまに捧げる酒の量は大切であると実感した日であった。そして、もう一つ、ルアーの師匠である白井さんを師匠と呼ぶ前にあっさり超えてしまった日でもあったことを付け加えておく。
(読みながら超えてねーし、負けてねーしとぼやく白井師匠の顔が目に浮かぶ)
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ルアー沈めて底を釣れ〜〜!!!
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師匠を超えた瞬間
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山神さまの微笑み 2
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ゴルジュの中を帰りま〜す
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メジャーを持っていかなかったため、後日計測するためにビニール紐を長さ分切って持ち帰った。帰宅後、計測したところ、44pと45.5pであり、自己最高記録の更新が確定した。
高揚が治まらないまま、2日目の源流美食倶楽部が開店。今夜のメニューは、山神さまお恵みの大イワナさまのフルコース。まずはイワナの握り。寺尾さんがさばいてくれたのだが、その包丁さばきは職人である。きれいな3枚おろしとなり、すしネタとなっていく。それを酢飯でにぎりイワナ寿司の完成。醤油を垂らしつまんでいただくその寿司は身がプリップリで銀座の高級店でも味わうことのできない絶品。そして、続いてはイワナのてんぷら。ぶ厚い身に多めの衣をつけて揚げていく。そうすると、表はサックサク、中はフワフワの極上てんぷらの出来上がり。最後にイワナの刺身といくらの醤油漬け。アツアツのご飯と一緒に口にほおばる。イワナづくしのフルコース。都会で食べたならうん万円はくだらないだろう。その他、切り干し大根の炒め物、ナスとおろし玉ねぎ、枝豆などなど。腹いっぱいに食し、酒を飲み干す。寺尾さんが、大岩魚の頭と骨の焼きガラシを作ってくれていた。ふと空を見上げると満点の星が輝いていた。
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寺尾料理長のさばき
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へい!おまち!!
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揚げたてをどうぞ
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あつぅ!!
でもうまし!!!
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たまりませんな〜
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最終日の夜が更けていく
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最終日、早目に目が覚めた小生は、一人お湯を沸かしながら焚火にあたり静かに夜明けを待っていた。この時間もまた、源流ならではの貴重な時間である。朝もやの中、徐々に明るくなり、川の奏でるせせらぎに小鳥たちがさえずる鳴き声が徐々に加わる。奏でるハーモニーと揺らめく焚火の炎、ゆっくり流れる時間が心を和ませる。
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インスタ映え???
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昨晩あれだけ呑んだのに・・・
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また来ようね〜〜
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そして、みなが起きてきて、朝食をとり、撤収作業を終え、山神さまに一礼をして帰路に就いた。来た時に下った坂を当たり前だが今度は登ることとなる。
小生の足は行きの山越えですでに筋肉痛となっており、本当に帰れるか不安になっていた。登りの急斜面で、足が限界となっていたため四つん這いで登っていると、林出さんより余計疲れるぞと教えていただき、斎藤さんからは飲み水は多く持っていきこまめに取った方がいいと、大貫さんからはなるべく草や枝を掴んで手で登った方がいいと、寺尾さんからは自分のペースで登るとバテないとアドバイスいただいた。みなさんからのご協力をいただき、何とか急斜面を登り切る。鞍部までたどり着くと携帯の電波が入ったため、誰かに電話しようということになり、迷うことなく白井師匠へ追い越した旨の報告を行うべく電話したが、聞きたくなかったのか居留守を使われた。
(居留守じゃねーし、釣り行ってたんだし!!とぼやく白井師匠の顔が目に浮かぶ)
そこから下り、足を引きずりながら何とか車までたどり着いたが、足がもう言うことを聞かない状態となっていた。齊藤さん、林出さん、寺尾さんは4日後に同じ道を辿り、上流に入渓することとなっており、テレビのどこぞのタレントではないが「どんだけ〜〜〜〜!!!!」といった感じだった。
今年もそろそろ我々の季節が終わる。小生は今回が今年最後の釣行となったため、1年の無事に感謝をし、来年の多くの参戦を誓い、また、2人の山神さまへの再会を約束し、今回の釣行を終了とた。
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P.S 釣行記を書いているこの時点(9/26)でも、筋肉痛と蚊に刺されたかゆみは収まらず、一方、小生から一回り以上離れている参加された諸先輩方は今日も同じ渓で元気に魚と遊んでいる。改めまして「どんだけ〜〜〜〜!!!!!」
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(やはぎ たけひこ)
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