Fishing2020釣行記 月山 嵐の釣り旅[山形県 月山]

月山 嵐の釣り旅
[山形県 月山]

     
 
  
[報告者] 上田勉

 メンバー:上田勉
 
 
 
コロナウィルスの影響でストレスの溜まる毎日を送っていることと思いますがいかがですか。
 
私こと先日のミノコクリ山越え途中での肉離れにより、同行者に大変迷惑をかけることになり、残念で悔しさのあまり月山への釣行を決定、準備に入りました。
 
月山へは今まで四度登りましたが、行程は天候によって大きく左右される今冬に厳しい山という印象が強いです。
 
 

 
 
初めての山頂は大嵐、風に飛ばされそうで小屋泊り。小屋に連絡が入り50前後の女性が小屋に泊まると言って登って行ったと。しかし待てども小屋には現れず心配していると言う。
次の日天候が回復し下山する私たちに様子を見ながら下山してほしいと頼まれ、途中岩場の穴の部分に貴重品から荷物がすべて捨てられた状態、人の姿はなく荷物を分担しリフト乗り場に預けると後日連絡があり、ビバークした場所で全ての荷物を捨てて身一つで下山したとのこと。
 
傘一本で穴に身を入れ一晩を過ごしたそうです。
 
貴重品は後日取りに来るとのこと。無事で何よりでした。
 
 
二度目は本宮氏と釣行。
頂上小屋そばから立谷沢川の天場まで標高差約1,000bの長すぎる下りにフラフラ、バテバテ状態で6本持ったビールを飲む気力さえなく、あの悔しさも忘れられません。
次の日、清川(立谷沢川は上流で清川と名が変わる)を釣り上り魚はいくらでも釣れるも、雨が降りみるみる増水し濁り、いたるところが滝。何とか上流の川原にフライを張りビバーク。大荒れの中頂上へ登り返し帰ってきました。
 
この体力のなさが悔しく、一週間後三名で同じ日程とコースを再挑戦したのが三度目。
 
四度目
雪代がある7月、行者ニンニクを食べようと頂上より天場まで行き、釣りもできずまた登り返してきたとき。
この登りでは我が会の釣行で熱中症のため、ヘリコプターを救助要請した場所でもある。
 
 
 
月山山頂は遥か彼方
そこから標高差1,000bの下りが待っている

 



 出発当日
早朝千葉を出発。月山姥沢駐車場まで一般道のみで十時間ほど。二泊三日釣行の荷物はどうしても重くなってしまう。
 
 早朝五時
予定登頂時間は一般には二時間半のところ、四時間弱かかって登り切ると、朝出発した駐車場が遥か下に見え、
天気良好、気持ちの良い登山をさせてくれた。
 
 九時
勝負の標高差1,000bの下り。無理せず着実に休憩を充分にとりながら、アキアカネの群がる中途中先日の雨で
崩れた場所がいたるところにあり緊張させられましたが、予定の一時間前に立谷沢天場に到着。天場にはたき木がありうれしくてビールで乾杯。
下山途中道が整備されていたので、生の木を切りたき木を作ったらしく流木は全くなかった。
 
フライを張り焚火。二時には下流の様子を見に行く。
水量多めで大石ゴロゴロの結構厳しそうな沢なので、無理せず一時間ほどで天場に戻る。今一つイワナの反応は
なかった。
 
落ち着いたところでビールで再度到着祝いをして横になったつもりが、気が付くと暗くなり八時半。
寒さのため十二時過ぎにも目覚めるが不思議なもので、沢の音がときには車の音や人の声にも聞こえる時がある。きっときっと寝ぼけていただけなのかもしれません。
 
 


 
 
ニッコウキスゲの咲き乱れる登山道


森林限界を超える
月山は特異な植生でも有名である



雄大な山並み


月山山頂と山小屋


     
  下りの途中で 


 
     
  天場の周りは行者ニンニクの畑である


 
 
 



 五時半

起床。昨晩は月明り、体調は良好。コーヒーと朝食を済ませ六時には出発。
テンカラのみで釣り登るが痩せていて尺がなかなか出てくれない。魚の数が多すぎるのかもしれない、と考えながらリリースを繰り返し上流を目指す。
水量多く、岩の大きさが目立ち歩くづらくポイントを絞って釣るが釣り自体は満喫できた。
 
この時点では月山を登って帰ろうなど夢にも思っていませんでした。
 
九時過ぎになり雨がポツポツと降り始め、九時半すぎには本降りに。
増水が心配な状況に、歩くことに専念すると天場になりそうな場所はあるが、泊まるにはいくら何でも早すぎるし、
体力的に消耗はあるが、のんびり月山頂上を目指すことが一番ベストと決断。
 
清川行人小屋への分岐を十一時。登山道への急登に入ると雨風強まり、寒さも加わり月山特有の大荒れの状態で危険度も増してくる。
藪の中でパンを腹に詰め込み寒さ対策をして焦らず一歩一歩歩くのみ。急登が終わり今度は長い長い
雪渓歩き。景色は見えないが登山コースにはロープが張ってあり、歩く方向には心配がなく心強い。
 
時々ではあるが弱気が頭をよぎるが休む場所さえ見当たらなく、ゆっくり、着実にと自分に言い聞かせ歩く。
 
嵐の中に頂上小屋がぼんやりと見えたのは二時。
この時間だと何とか帰れそうだと思うと気持ちに余裕のようなものが出来てうれしかった。
休む気力もないまま下山開始、怪我には充分注意しつつ。
下山するに従い天気の回復傾向にも助けられる。
 
ここまで来ると、あとは足さえ動かしていればそのうち下山できるとノンビリと構える。
何度休んだか分からないが、長い木道をとうとう歩き通し、四時半に登山口に到着。
 
  
 帰って来たゾ〜〜〜〜!!!!!
 
 
西川の道駅で風呂に入り一息!
車で眠ってしまったが身体が少々楽になったので、大峠手前、田沢道の駅で仮眠し帰途に着きました。
 
 
    
 
 
年齢からか、高血圧など山行きのい不安材料ばかりになってきましたが、この遊びはやめられません。
 
姥沢到着して宇賀神さんの訃報を聞きましたが、あの世でも釣りと酒を楽しめますようご冥福をお祈りしております。
 
 
                                       
 
                                            上田勉
 
 

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