Fishing2022釣行記 人と同じ道はつまらない? 新規開拓乗越ルート
人と同じ道はつまらない?
新規開拓乗越ルート

 
  
[報告者]五百川和也 
釣行日:2022/9/17~19
 メンバー:寺尾一木、平江誠
 大貫和之、五百川和也
 
 
 
 
 

台風迫る9月中旬。3連休を使い1年ぶりの源流泊!前夜祭は、会ではお馴染み?の道の駅に10:30集合。再会を祝して乾杯!ここの道の駅はSNSで取り上げられたそうで、深夜になっても車の出入りがあり気になったが、2時?3時?まで、しっかりガッツリと明日への鋭気を養った。



DAY 1
我々以外に今回の沢へ入るパーティーはいないだろうと、ゆっくりの起床。目的地へ向かう。寺尾リーダー先導での乗越。スマホの地形図と睨めっこしながら登攀ルートを探る。沢を登るか、細尾根を登るか思案。


手前の沢を渡渉して登攀開始


美しいブナ林


登攀の目標地点は、山頂の二つこぶ、その間のコルを目指す。まずは右尾根を行く。
「右山頂近くに白く見える岩肌辺りは危険そうだから避けよう。」と大貫さん。

しかし、これが伏線となり、山の魔力なのか、リーダーのいたずらなのか、登れば登るほどにあの岩場に吸い寄せられていく。
メンバー(そろそろ横にトラバース、、、)
リーダー「いやもうちょっと上から」
メンバー(そろそろトラバースしないと、、、)
リーダー「いやいやもうちょっと上じゃないか?」

細尾根ルートを登るほどにあの岩場が近づいてくる(笑)幸い、岩肌むき出しポイントはかすめて通過することができ、ホッとする(笑)気温30度を超える中の急登、草木ありで掴みどころはあったが、私の体力は奪われた。そして、軽度熱中症で、頭クラクラ手足に力が入らなくなってしまった。山から1年遠ざかっていたツケだ。

自分の水分少なく、神様大貫様からプライスレスなドリンクを頂戴することに。優しい大貫さんは「百万円でいいよ♡」と笑顔で言ってくれた。リーダーと平江さんからは手を貸してもらった。もうみんな私の中のヒーローです!歴戦のメンバーには何ともない登攀が私にとっては死に目になっていた。

すり減ったフェルトソールが疲れた体に追い打ちをかけた。ラバーソールにするとか、スパイクの用意をするとか、準備を怠ってはいけないと痛感した。




左 : 熱中症になっている人
右 : 余裕の一服

本日は快晴なり



 

私が足を引っ張り、予定を大幅に遅れ、2時間半かけて右のピークへ。下降は、滝が出てこなければ容易だろうと聞いていた。
「地図の等高線は当てにならない」先の釣行で予想外な目にあったと話す平江さん、大貫さんの言葉に不安が尽きなかった。

コルへ下り始めると踏み跡らしき道が。これ幸いにと辿りながら下降地点へ。ここからは、沢を行くか尾根を行くか意見分かれるも尾根伝いを行くことに。尾根にはシャクナゲが群生し、歩きづらさはあるものの安全に下降できた。最近ハードな釣行ばかりの大貫さんは、
「日本で一番生えてる木はシャクナゲなんじゃないっすかね!最近尾根ばっかり。シャクナゲばっかり見てるからそう思えてきた。」と(笑)。
尾根にはシャクナゲが付き物なんですね。




理由は暑いから!腹出しての藪漕ぎは流石っす!!!


細尾根下降から小沢へ


あと少しで到着




「最後の最後で滝が出てきたりするんだよなー。」という話を聞きながら下降するも、恐れていた難所なく無事入渓!よかったあああーと心から思った!後で荷解きしたときに、スパイクが出てきて笑われた。忘れたと思っていたスパイク。君に会えてよかった!これで帰りは救われる‼




目的の渓流へ到着~

入浴シーン1


入浴シーン2



入渓地点から300メートルほど登ってテンバを確保。リーダーと平江さんはテンバに残り、大貫さんと二人で釣りへ。


 

テンバから見た上流の景色


小池師匠の毛バリでいざ勝負!!


小沢をのぞく寺尾リーダー。
今回一番釣果を上げていたのに写真がなくてすみません!


平江さんもテンカラを振る


初日はルアーで勝負の五百川


自分だけ釣れた写真があってすみません!!






 

入渓直後から魚は走り期待は膨らむ。尺クラスの黒い影も走った。1時間ほど釣りあがって釣果は2匹。サイズは、20センチ程。食いの渋さを感じるも明日に期待とテンバへ戻る。




大貫シェフが腕を振るう

焚火に注目!チャーシュー焼き対決 寺尾VS五百川


   

夜は快晴。満天の星空の下、焚火を囲って最高の宴会となった。

男3人で天を見上げ、「あれはデネブだ」「あれはアルタイルか?」「天の川も見えるぞ」などと言っていると、星が一つ二つと流れ、なんともロマンチックな夜であった。

酒も体に染みわたり、星が付く歌を歌おうとカラオケ大会が始まる。寺尾さんの天才的な替え歌、聴き入ってしまう平江さんの歌、情熱的な大貫さんの歌と盛り上がる。

歌が不得手な私には「声が小っちゃいっ!」とべろんべろんの寺尾さんから指導が入る。

「夏 夏 ナツ ナツ ココ 夏ぅ‼さんっはあ“い”っ‼」苦楽と寝食を共にする仲になるというのはいいものだなとしみじみ思うとともに、寺尾さん、平江さん、大貫さんの魅力を存分に感じ、大好きなった。


夜は更け1時。焚火周りのフラット地面で3人揃って快適に睡眠。折角タープを張ったのに使わないという珍現象が起きた。



 
ゆっくりと腹ごしらえ


 

DAY 2

6時起床。ゆっくり支度を済ませ9時頃から全員で釣りを開始する。リーダーは餌釣り、他はテンカラで攻め上がる。釣果は、どうだったかというと、、、


 
 
岩魚のムニエル??
唐揚げ???


 


戦いは魚に軍配が上がり、貧果に終わってしまった。魚は居る。じっと底にへばりついて居る。あるところには5、6匹が群れてじっとして居る。しかし、寺尾さんの眼前ぶどう虫チョンチョン釣法をもってしても動じず居るのだ。ペアリングを終えたから食に向かわないのだろうか。それには時期的に早い気もするが、魚は見えれど喰ってこない。「なんでだぁ???」皆首をかしげる。食い気のない魚に対しては、ルアーで怒らせて釣ったら良かったのかもしれない。いつもはルアーの私。こんな時だけテンカラで釣りをするという、、、そんな中で釣れた貴重な魚は、寺尾さんが綺麗に捌き、刺身や、唐揚げで美味しくいただいた。

 
 

 



釣り始めて2時間弱、今回の難所(私にとっては)&爆笑ポイントに到着する。

小滝の釜で、左岸はナメで取付けない。初め大貫さんが行き、右岸よりトラバースして小滝に近づき、ちょうど滝にかかる倒木を掴みながら難なく突破した。続く平江さんもひょいひょいと。

スペクタクルショーは、ここからである。(動画で撮りたかった!)

風雲たけし城さながらの寺尾さん大パフォーマンス登攀。私が、びびって右岸よりゆっくり登っている脇で

『ズゴンッ!!!ゴンッ!ゴンゴンゴン!!』

「あー――っ!!!」


と、寺尾さんの声と見ていた者の声が釜に響く。

初めの凄い音に驚き横を向くと、滝に掛かる丸太にしがみついているヒーローの姿がっ(笑)

なんでそんなところにっ!!www

皆で、あー――っ!!!と言っているうちに、ゴンッ!ゴンゴンゴン!!と丸太がずれ落ち、必死にしがみ付く英雄はクルっと回って滝ポチャ、、、

     大爆笑である。


人と同じ道はつまらないという信念を、ここまで具現化して見せてくれるのは寺尾さんぐらいであろう。もう私は、顔を見るだけで面白い。

私も何とか突破し、少し進むと2度目の滝。こちらも岩がナメていて取付きづらい。今度は平江さんがトップで行き、大貫さんが行く。私にはとても危険に見える箇所も岩盤の引っ掛かりを探しながらサクサクと突破していく。引き返す時間帯にもなっていたので私は無理せず待機していると、「登ってみなよ」と釜からの生還を果たした英雄の声が。

半ばまで登るも身の危険を感じ、これ以上は厳しいことを告げると、「ドレドレ」とやって来て、「んー確かにここは滑りそうだなあ。」と顔を上げ、「ん。あそこの木を使えばいけるんじゃないの~?」と別ルートでの突破。お見事です。

「五百川君も来なよ」と、木を下げてもらうが、高所で木を両手で掴み後ろに体重をかけることにびびってしまい断念。改めて先輩方を尊敬する。


奥を見てきた二人からの報告によると、少し行くと大崩落があり、まだまだ崩れてきそうな箇所があったそうだ。大雨などによって渓が埋まってしまうのは仕方ないことだが残念だと思った。




DAY 3

昨晩のぱらついた雨に台風の心配がよぎったが、起きてみれば快晴。日が差すところは暑いくらいだ。帰り支度をして9時。テンバに別れを告げる。




 
 
あの岩に登れたら人生やり直せるってなったら挑戦する?
なんて話していた写真左上の岩壁



帰路は、下降してきた細尾根を登り返してコルへ。そこから、沢伝いに下降のコースをとった。我が偉大なるリーダーは、昨晩から500mLあった50度のウィスキーを飲み干し、なかなかの不調っぷりである。

「膝に水が溜まったなあ」と足取りが重い。
平江さんは「いつものことだ」とも、「いつもより歩けている」とも言っていた。

コルへは登り2時間。到着して大休止。辺りを見ると、沢への踏み跡らしきものがあり、それを辿って下降開始。帰りにも、「等高線には落とし穴がある」との教訓が不安を生んでいたが杞憂に終わる。何と言うこともなく下降から1時間。快適に下山できた。

直後、釣り人カップルに会い、「釣れましたか?」と誰かが聞くと、「渋かったけど尺も出て楽しめました~。」の答えに、我々は少し苦笑い(俺たちは結構苦労したけど釣れんかったぞ~笑)。

「どこから来たんですか?」と尋ねられ、「あっちこっち歩いて来ました。」と紳士に平江さん。

そのカップルは、どこから来たか見当もつかない様子で、大きなザックを不思議そうに眺めていった。


これは、3人の秘密のルートである。私にとって大切にしたい記憶がたくさん詰まった最高の釣行であった。


 


3人みんながヒーローです!
またよろしくお願いします!

 



Special Menu

最後に、三ツ星シェフの特選料理を紹介する。


 寺尾シェフ 焚火焙煎チャーシュー 
       ※娘と呼び、手塩にかけて育てたチャーシューは絶品!


 
 
 
 平江シェフ 茄子とエリンギのアラビアータ (写真が無くてすみません!)
       ※説明するまでもなく平江さんの料理はいつも絶品だし、アラビアータって響きがもうオシャレ!


 大貫シェフ 牛のしぐれ煮
       ※牛に味の染みたゴボウ、ショウガが格別。「人と被らない料理を」と考え抜かれた一品。
        絶対被らないと思います!(笑)
 

 
 

        

         きくらげと卵の中華風炒め(と、ご満悦の平江さん添え)
        ※とろふわコリコリ食感がやみつきに。レシピを教えて頂いたので家でも作ります!

 
 
     



 


(いもがわ かずや)
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